需給動向 国内

◆飼 料◆

トウモロコシの国際価格、10カ月連続で前年同月を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 配合飼料の成分構成の約5割を占めるトウモロコシの国際価格(シカゴ定期相場)の下落が続いている。

 トウモロコシのシカゴ定期相場は、平成20年秋以降、同年上半期の高騰から一転し、バイオエタノール需要の減少や世界的な金融危機で投機資金がより安全な資産に流れたことなどを受け下落、ブッシェル当たり300米セント後半から400米セント前後で推移していた。

 このような状況の下、平成21年8月の同相場は10カ月連続して前年同月を下回る同326米セント(前年同月比42.6%安)となった。これは、米国の各生産地域において、トウモロコシの受粉期である初夏からの気候が安定し、気温が高く適度な降水量がある最適な環境が続き順調な生育となっていることから、豊作の見通しとなっているためと考えられる(図8)。

 この状況が続けば、平成21年7月〜9月期に3期ぶりに値上がりした配合飼料価格(「畜産の情報」2009年8月号9頁参照)が、次期(10月〜12月期)に再び値下げに転じることが期待されており、生産者にとっては朗報となりそうだ。

 ただし、配合飼料価格に影響を与える為替相場や海上運賃、大豆ミール価格などのトウモロコシ以外の状況によっては、値下げ幅が大きく影響を受けるため、関係者の間ではその動向が注目されている。 

図8 トウモロコシ、大豆ミールのシカゴ定期相場
(参考) 海上運賃の推移(ガルフ〜日本)

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