需給動向 海外

◆豪 州◆

2008/09年度の乳製品輸出量は前年度を5.8%上回る


◇絵でみる需給動向◇


2008/09年度主要乳製品の生産量は、チーズを除き前年度を上回る

 デイリー・オーストラリア(DA)が8月に公表した資料によると、2008/09年度(2008年7月〜2009年6月)の生乳生産量は、干ばつの影響から回復傾向にあることから、前年度比1.8%増の938万8千キロリットルとわずかであるが前年を上回った。また、主要乳製品の生産量を見ると、生乳生産量の増加を背景に、バターは同17.9%増の12万5千トン、脱脂粉乳は同29.0%増の21万2千トン、全粉乳は同3.9%増の14万8千トンとそれぞれ増加した。一方、チーズについては、輸出需要の低迷から同5.7%減の32万5千トンと前年を下回った。

バターおよび粉乳類の輸出量が大幅に増加

 一方、乳製品の総輸出量(製品重量ベース)は、前年度比5.8%増の76万トンとなった。品目別に見ると、バター(バターオイルを含む)は同23.3%増の6万6千トン、脱脂粉乳は同35.4%増の16万2千トン、全粉乳も同26.4%増の15万8千トンと大幅に増加した。これは、生産量の増加に加え、国際乳製品価格の低下や豪ドル高の緩和により需要が増加したことなどによるものとみられる。一方、チーズは同28.4%減の14万5千トンと大幅に減少した。チーズの輸出量は干ばつにより生乳生産量が減少する中にあっても、近年急速に経済成長をとげた新興国などの旺盛な需要を背景に高い水準で推移していた。しかし、2008年後半から続く世界的な不況を背景に需要が低迷した結果、大幅に減少したとみられる。

図1 主要乳製品の生産量の推移

 輸出額については、輸出量が増加したことから前年度と比べ1.5%増とわずかに増加し、29億2,220万豪ドル(2338億円:1豪ドル=80円)となった。品目別に見ると、バター(バターオイルを含む)は19.7%増、脱脂粉乳は8.8%増、全粉乳は14.7%増となった。輸出量が最も増加した脱脂粉乳の輸出額の増加率がほかの2つの品目を下回った理由としては、国際需給の緩和に伴う国際相場の下げ幅が大きかったことが挙げられる。

乳製品輸出量および輸出額

 また、輸出額を輸出量で除した平均輸出単価を見ると、バターおよび全粉乳についてはそれぞれ同3.0%、9.3%の低下にとどまったのに対し、脱脂粉乳は同19.6%安となっている。一方、チーズは、同14.4%高となった。

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