需給動向 海外

◆飼 料◆

国際需給への影響力が弱まるアルゼンチン産小麦


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度収穫面積、前年度をさらに17.4%下回り過去最低

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS:Grain:World Markets and Trade)によると、2009/10年度におけるアルゼンチンの小麦生産は、前年度から引き続く降雨量不足の懸念が収穫面積を減少させ、前年度をさらに17.4%下回り過去最低となる350万ヘクタールが見込まれているとした上で、最終的な収穫面積は生産者が今後の降雨量をどう判断するかに左右されるとしている(図1)。加えて、小麦生産量の減少は、輸出税が高水準であること、また、小麦価格が安値であることも生産者の作付け意欲の妨げになっていると指摘している。

図1 アルゼンチンの小麦収穫面積

輸出量は前年度を約3割下回り22年ぶりの低水

 世界全体の小麦消費量は人口の増加、経済成長などから増加しており、2009/10年度は10年前の1999/00年度比で9.7%増が見込まれている。このトレンドにもかかわらず、アルゼンチンからの小麦輸出量は生産量の減少などにより減少傾向で推移しており、2009/10年度の輸出量は22年ぶりの低水準が見込まれ、前年度を27.3%下回る400万トンとされる。(図2)。

図2 アルゼンチンの小麦輸出量

小麦輸出のポテンシャルを低下させる政策的な需給操作

 アルゼンチンの小麦生産量の減少は、利益が見込まれる大豆などへの転作、また、肥料、除草剤などの経費をさらに投入してまで小麦の単収を引き上げないことが要因として挙げられている一方、小麦を含めた輸出品に輸出制限、輸出税が課されているように、歴史的に自国の需給状況に応じ政府による政策的な需給操作が行われることで、生産者は不安感から、政府の介入の及ばない作目を選択する動きがあり、これが小麦生産量の減少に最も大きく影響していると指摘されている。

 FASによると、アルゼンチンは、かつて、世界全体の小麦貿易で主要なプレ−ヤーであったが、政府の意向や干ばつなどの自然災害は、小麦輸出のポテンシャルを低下させ、国際需給への影響力は弱まっているとの見方を示している(図3)。

図3 世界小麦貿易でのアルゼンチンのシェア

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