2009年の世界の牛肉生産量は、6437万トン（枝肉換算ベースFAO Food Outlook、2009年12月）となっている。主要生産国（国別データは米国農務省）は、米国（1179万トン）、EU（792万トン）などの先進国のほかに、ブラジル（930万トン）、中国（555万トン）、アルゼンチン（280万トン）、インド（276万トン）といった新興国である。牛肉消費量は、世界最大の消費国、輸入国である米国のほか、BRICs（ブラジル、ロシア、インド、中国）などが増加しており、米国とBRICsで全世界の消費量の約5割を占めている。また、牛肉輸出量の地域別では、最大の輸出国であるブラジル（183万トン）をはじめ、米国および日本への輸出割合が高い豪州（135万トン）やニュージーランド（51万トン）のオセアニア地域で高いシェアとなっており、この3カ国で全輸出量の約5割を占めている。

　2009年の世界の豚肉生産量は、1億646万トン（枝肉換算ベースFAO Food Outlook、2009年12月）となっている。主要生産国（国別データは米国農務省）は中国で、5060万トンであり、これにEU27カ国（2200万トン）や米国（1014万トン）などの先進国が続くがこれらの国々は、生産量に占める輸出量の割合が高い。BRICsでは経済成長に伴いブラジル（325万トン）、ロシア（225万トン）の生産量も徐々に増加している。中国以外のアジア地域では、ベトナム（185万トン）やフィリピン（123万トン）などの生産量、消費量が多い。日本は、生産量が130万トンであるが、消費量のおよそ半分の115万トンを輸入しており、世界全体の輸入量の2割を占める最大の豚肉輸入国である。

　　2009年の世界の鶏肉生産量は、9194万トン（骨付き換算ベースFAO Food　Outlook、2009年12月）である。日本国内では業務用需要の伸びなどから、中国を中心に輸入は増加傾向で推移してきたが、鳥インフルエンザの発生により16年1月以降、中国、タイからの輸入禁止又は停止となり大幅に減少、それに代わって南米のブラジル産鶏肉が輸入量を増加させた。世界の最大生産国（国別データは米国農務省）は、米国の1630万トン、中国の1255万トン、ブラジルの1142万トンとなっている。日本の鶏肉生産量は127万トンであり、消費量に占める輸入量はおよそ4割である。世界全体ではロシアに次ぐ第2位の鶏肉輸入国であり、その9割以上をブラジルに依存している。

　2009年の世界の生乳生産量（水牛乳を含む）は7億90万トンと見込まれている（FAO Food Outlook, 2009年12月）。主要生産国（地域）は、EU27カ国（1億3380万トン）、インド（1億500万トン）、米国（8582万トン）などであるが、インドは水牛乳が生乳生産量の6割を占める。2009年の貿易量（輸出量・生乳換算）は3940万トンと見込まれ、その貿易率は5.6％と穀物や砂糖、牛肉、家きん肉などに比べて極端に低く、主要農畜産物中最低である。主要輸出国（地域）は、ニュージーランド、EU27カ国、米国、オーストラリアなどである。