需給動向 海外

◆ニュージーランド◆

2010/11年度の生乳生産量は前年度比3〜5%増と予測


◇絵でみる需給動向◇


2009/10年度の生乳生産量は北島が減産も南島の増産で前年並みの見込み

 現地報道などによると、2009/10年度(6〜5月)の生乳生産量は、北島の減産を南島の増産が補う形で、前年度比同水準の1600万キロリットルと見込まれる。

 2009/10年度の生乳生産についてシーズン前半は、低い生産者乳価の影響を受けてスタートし、生乳生産の6割を占める北島では、生乳生産が本格化する9月以降11月にかけて、低温・多雨に見舞われたことにより、前年度を下回る生産となった。しかし、国際乳製品価格の回復を受け、購入飼料の利用による増産に意欲的な酪農家もあり、減産の程度は大きくならなかった。また、南島では気象条件に恵まれたことから、全体では前年度をわずかに上回る生産となった。

 一方、シーズン後半については、北島は、干ばつに見舞われ、特に2010年3月以降は少雨によるかなりの減産が続き、季節生産を行っている酪農家は例年よりも早く搾乳を終了した。しかし、冬季に向けて生産量が少なくなる時期であり、生乳生産への影響はそれほど大きなものとなっていないとみられる。

2010/11年度の生乳生産量は高乳価により増産の予測

 フォンテラは2010年6月、2010/11年度の初期生産者乳価について、堅調な国際市況を反映し、前年度比約8%高の乳固形分1キログラム当たり6.60NZドル(416円:1NZドル=63円)と発表した。このため、2010/11年度の生乳生産は、前年度比3〜5%程度増加すると予測される。しかし、現地報道によると、2010年6月のNZ全体の生乳生産量は前年同月比8%程度減と推計されており、今後の見通しとしても、北島においては、干ばつによる牧草の生育不良、および乾乳期の乳牛の状態維持に必要な購入飼料不足による乳牛のコンディション悪化が心配されている。

図11 生乳生産量と生産者乳価の推移
資料:LICおよびフォンテラWEBほか
 注:年度は6〜5月
   :2010/11年度については初期生産者乳価

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