需給動向 国内

◆飼 料◆

21年度のトウモロコシの輸入価格、前年度比37.3%安


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成22年3月のトウモロコシの輸入価格(CIF)は、前年同月をわずかに上回るトン当たり21,415円(2.4%高)となったものの、21年度の平均では前年度を大幅に下回る同20,562円(37.3%安)となった。

 これは、①トウモロコシの国際価格(シカゴ定期相場)が、20年秋以降、同年上半期の高騰から一転し、バイオエタノール需要の減少や金融危機による投機資金の流出、米国の主産地における豊作、穀物需要の減退懸念などを受け下落したこと、②円高基調で推移したことなどの影響を受けたものと考えられる。

 また、大豆油かすの3月の輸入価格も、前年同月をわずかに上回る同42,592円(4.0%高)となったものの、21年度の平均ではトウモロコシ同様、前年度をかなり大きく下回る同44,249円(11.9%安)となった(図6)。

 一方、輸入価格に影響を及ぼす要因の一つである海上運賃(米国ガルフ〜日本間)については、金融危機や景気後退懸念、原油相場の下落などから急落し、20年12月頃にはトン当たり20ドル台となったが、その後、中国の大豆・石炭・鉄鉱石の船腹需要の増加などを受け上昇傾向に転じ、22年4月は同70.7ドルとなった(図7)。

 配合飼料価格については、トウモロコシのシカゴ定期相場の動向を反映した「値下げ」が期待されているが、上昇傾向で推移している海上運賃、先行き不透明な為替水準などによっても大きく左右されるため、引き続きその動向が注目される。

図6 トウモロコシと大豆油かすの輸入価格
資料:財務省「貿易統計」
図7 海上運賃の推移(ガルフ〜日本)
資料:農林水産省生産局畜産部畜産振興課

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