需給動向 海外

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欧州委、主要国の2010年における豚枝肉卸売価格の見通しを公表


◇絵でみる需給動向◇


デンマークは前年比1.2%高の見込み

 欧州委員会が4月に公表した豚肉の需給見通しによれば、2010年における豚枝肉卸売価格は100キログラム当たり141.6ユーロ(約17,842円:1ユーロ=126円)とほぼ前年並み(前年比0.4%安)の見通しが示された。また、主要生産国別では、EUで最大の対日豚肉輸出国であるデンマークで同124.4ユーロ(約15,674円)と前年比1.2%高の見通しとなった一方、ドイツ(同2.1%安)やポーランド(同3.0%安)では前年を下回る見通しとなった(表2)。

表2 主要生産国における豚枝肉卸売価格の見通し

 ドイツでは、2010年の生産量が前年を上回ると見込まれる一方で国内消費が緩んでいることから、2010年における豚枝肉卸売価格は前年を下回るとみられている。また、ポーランドにおいては、国内通貨(ズロチ)ベースでは、2009年の価格は前年比12.5%高と堅調であったが、2010年には前年を13.1%下回ると見通されている。ただし、ユーロベースでは下落幅は小さくなるとみられる(図8)。

図8 ポーランドの豚枝肉価格の推移
資料:欧州委員会

2010年上期は前年を2.2%下回るが下期は1.4%上回る見込み

 図9は、EUにおける2010年の四半期ごとの枝肉卸売価格の予測値を示したものである。上期は前年とのかい離が顕著となり、上期の平均では前年を2.2%下回るとみられているが、下期については、前年に比べ夏場のピークが持続し、下期の平均では前年を1.4%上回ると見込まれており、2010年通年では、前年比0.4%安とほぼ前年並みで推移するとの見通しが示されている。欧州委員会では、ライフスタイルの変化により、夏場の需要期(いわゆるバーベキューシーズン)の需要が従来ほど高まらない傾向にあると分析しており、今年の夏にどの程度豚肉需要が高まるか注目される。

図9 EUにおける豚枝肉卸売価格の推移
資料:欧州委員会

 



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