需給動向 海外

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飼料グレードの脱脂粉乳域内価格は介入買入単価目前まで低下


◇絵でみる需給動向◇


バターの域内価格は前月比で7.6%低下

 2010年1月時点の乳製品の100キログラム当たりの域内価格は、バターが305ユーロ(37,210円:1ユーロ=122円)と前月比で7.6%、飼料グレードの脱脂粉乳は179.8ユーロ(約21,936円)と同5.3%それぞれ低下し、脱脂粉乳は介入買入単価である169.8ユーロ(約20,716円)に迫る水準となった(図10)。脱脂粉乳の域内価格は食品グレードにおいても、同201.9ユーロ(約24,632円)となり、前月比で4.6%低下している。

 なお、当地のある乳製品団体幹部は、バターについて、輸出補助金が停止された現状では国際市場での競争力を発揮できる状態にないものの、2010年1月時点の域内価格は介入買入単価である246.39ユーロ(約30,060円)を相当程度(約25%)上回っていることから当面は介入買い入れ価格を下回る水準とはならない見込みと語っている。

 いずれにしても、季節的に増産期に入った生乳生産や2010年に入り顕著となったユーロの為替レート低下が今後の域内の乳製品市場にどの程度影響を与えるかが注目される。、

図10 バターおよび脱脂粉乳の介入買入単価と域内価格の推移

介入買入在庫の放出時期は依然として未定

 このように、バターおよび脱脂粉乳の域内価格が再び低下に転じた中、介入買入在庫の取扱いが宙に浮いた形となっている。既報*のとおり、2009年3月より累積したバターおよび脱脂粉乳の介入買入在庫の解消の一手段として、その一部を生活困窮者への食料支援に充てることにより市場外で処理することが決定された。しかし、食料支援分を除外した将来市場に戻される可能性のある介入買入在庫はそれぞれ、バターが約2.5万トン、脱脂粉乳が約19.2万トンとなっており(図11)、これらの在庫の市場への還流が域内市場へ悪影響を与えかねない状況となっている。

 乳製品の貿易団体として欧州委員会に積極的なロビー活動を展開しているEUCOLAITの関係者は、生活困窮者向けの食料支援用による介入買入在庫処理が2010年5月から開始されることは決定しているものの、残りの在庫の取扱いについては時期も含め現時点では何も決まっていないと話しており、域内価格が低下基調にある現状においては静観せざるを得ない事情がうかがえる。
図11 バターおよび脱脂粉乳の介入買入在庫の推移

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