需給動向 国内

◆牛 肉◆

推定期末在庫量、前年同月をかなりの程度下回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「食肉流通統計」によると、平成22年2月の牛肉の生産量は26,262トン(前年同月比2.4%減:部分肉ベース)となり、前年同月をわずかに下回った。内訳を見ると、めす和牛は4,490トン(同3.0%増)、去勢和牛は6,351トン(同5.7%増)とそれぞれ12カ月連続で前年同月を上回ったものの、交雑種は6,870トン(同8.2%減)と、前月に続き前年割れとなった。

 こうした状況を反映し、国産品の推定期末在庫量(機構調べ)は、前年同月をかなりの程度下回る12,395トン(同6.2%減)と3カ月ぶりに1万3千トンを割り込む水準となった。

 一方、2月の輸入量は財務省「貿易統計」によると、国内市場の低迷、豪ドル高などにより33,118トン(同14.8%減)と前年同月に比べ大幅に減少したことを受け、輸入品の推定期末在庫量は前年同月を下回る60,353トン(同12.6%減)となった。

 この結果、国産品と輸入品を合わせた期末在庫量は、2カ月連続で前年同月を下回る72,748トン(同11.5%減)となり、輸入品を中心に在庫が消化された(図1)。

 2月の枝肉価格(東京都中央卸売市場)について見ると、交雑種去勢はB−3が1,114円(同2.3%安)、B−2が943円(同1.7%安)となったのに対し、高級和牛である去勢和牛A−5は2,138円(同3.6%安)、A−4は1,713円(同6.2%安)となっており、価格の高い等級ほど苦戦している状況にある。また、3月(速報値)は、交雑種去勢はB−3が1,131円(同1.4%高)、B−2が970円(同6.2%高)去勢和牛のA−5が2,165円(同0.1%高)、A−4が1,703円(同2.0%安)と特に交雑種去勢において前年同月を上回った。引き続き消費者の節約志向は強いものの、大型連休需要など活気が出てくる時期を控えていることから、今後の価格上昇の余地は充分にある。

図1 牛肉の期末在庫量の推移
資料:農畜産業振興機構調べ



元のページに戻る