需給動向 国内

◆鶏 卵◆

秋以降の卸売価格上昇に期待


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「鶏卵市況情報」によると、22年7月の鶏卵入荷量(東京)は8,795トン(前年同月比4.9%減)となった。また、速報値によると、8月は9,136トン(同1.9%増)と2カ月ぶりに前年を上回った。
注)入荷量とは、鶏卵市場(鶏卵荷受会社をいい、東京は3社対象)が産地の生産者、集出荷団体業者等から入荷した量)

  一方、卸売価格は、生産者による生産調整の他、猛暑による産卵率の低下などの供給減を反映し、前年水準を上回って推移している。全農「畜産販売部情報」によると、22年7月の鶏卵卸売価格(東京・M)は、キログラム当たり177円(前年同月比14.7%高)、また、速報値によると、8月は同166円(同5.5%高)となり、5カ月連続で前年を上回った(図7)。

  日本種鶏孵卵協会調べの採卵用ひなふ化羽数は、7カ月連続で前年度を下回って推移しており、供給量の減少により需給が一層引き締まれば、依然として高水準な飼料コストなど、生産コストの増加に見合う適正水準での価格形成が期待できる。このため、今後の相場展開については、今年度に措置された「鶏卵需給安定緊急支援事業」の活用により、成鶏の更新が促進され、秋以降の鍋物需要(練り製品原料)やクリスマス需要(ケーキ原料など)も重なれば、前年を上回る水準で推移するものとみられる。

図7 鶏卵卸売価格(東京・M)の推移
資料:全農「畜産販売部情報

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