需給動向 海外

◆米 国◆

2010年後半の生産量増加により、在庫も増加基調


◇絵でみる需給動向◇


2010年の生産量は前年比3.9%増

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2010年のブロイラー生産量は前年比3.9%増の1674万2千トンと2008年の水準まで回復した。2008年以降は飼料コストの増加に伴う収益性の悪化により生産削減が行われてきたが、2010年に入りブロイラー向け種卵ふ卵個数およびひなの導入羽数が増加したことから、第4四半期の生産量は前年同期を7.4%上回るなど堅調に推移した。

 2011年1月の生産量は、ブロイラー処理羽数(前年同月比6.0%増)や平均出荷体重(同3.9%増)が増加したことから、同10.4%増の141万7千トンと、前年の増加基調を維持している。

 なお、USDAによると、2011年の生産量については、景気回復や失業率の改善による国内需要の増加から前年比1.0%増の1691万9千トンと見込まれる。ただし、生産者は飼料穀物価格高騰によるコスト増加を懸念し、生産規模の拡大を縮小するとも予測される。

図5 ブロイラー処理羽数の推移
資料:USDA「Poultry Slaughter」

2011年1月の在庫量は前年同月比23.5%増

 USDAが公表した「Cold Storage」によると、2011年1月のブロイラー在庫量は、前年同月比23.5%増の35万3千トンと、2010年初めの生産量が少なかったことや第4四半期の生産量が増加したことなどから前年水準を大幅に上回った。このうち、主に輸出需要の多い骨付きもも肉(もも四分体)の在庫量は、2010年2月以降増加基調にあったが、第4四半期については、輸出量が過去最大となる前年同期比14.4%増の88万6千トンと大幅に拡大したことにより、同四半期は第3四半期より2.5%減となった。しかし、2011年1月には、前年同月比47.4%増の6万トンと増加しており、年前半までは前年を上回る水準で推移するとみられる。

 なお、2011年の輸出量は年後半の減産に伴い価格が上昇し、価格志向型市場での競争力が低下することから、前年を下回ることが予想されている。

図6 骨付きもも肉の在庫量の推移
資料:USDA「Cold Storage」

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