海外トピックス


アジア:韓国が豚肉、乳製品などに対する無関税の輸入枠を拡大


 韓国企画財政部は2011年2月18日付けプレスリリースにおいて、豚肉、粉乳などの無税の輸入枠を拡大することを発表した。

 これは同日に開催された「物価安定対策会議」の内容を踏まえた措置である。

 具体的には、冷凍豚バラ肉を1万トンから6万トンへ、粉乳(脱脂粉乳および全脂粉乳)を9千トンから3万トンに拡大するとともに、鶏卵については粉卵を300トン新たに設定することなどである。

冷凍豚肉

 口蹄疫で供給が減少した豚肉の需給及び価格安定のために、2011年6月までの期間に限定し、冷凍豚バラ肉の無税の輸入枠を1万トンから5万トンを追加し、6万トンへ拡大する(先に決定された加工原料用豚肉5万トンの枠を合わせると11万トンとなる)。

表 過去3年間の冷凍豚バラ肉輸入数量

 また、価格および輸入の動向を見ながら、更なる輸入枠の拡大および適用期間の延長を検討する。

乳製品

 口蹄疫による乳牛の被害頭数は、2010年11月28日〜2011年2月14日までの間で3.6万頭と総飼養頭数(43万頭)の8.4%に達した。このため、口蹄疫や国際相場の動向などによって、牛乳・乳製品の需給のひっ迫や価格の上昇が懸念されている。

 2011年の生乳生産量は最近の生産水準より20万トン減少し、約190万トンにとどまると見込まれている。一方で、韓国国内の国産生乳に対する需要量は213万トン(飲用150万トンおよび加工用63万トン)と推定される。

 加工用のうち、23万トンが不足する懸念があることから、粉乳(脱脂粉乳および全脂粉乳)の無税の輸入枠を1月25日に設定した9千トンから2万1千トン追加し、3万トンに拡大する。

 またチーズ、バター、生クリーム、乳糖などのほかの乳製品についても、6月までの無税の輸入枠を早急に設定するために手続きを開始した。

鶏卵

 高病原性鳥インフルエンザの発生による採卵鶏の処分羽数は総飼育羽数の2.1%で、短期的な需給および価格に及ぼす影響は大きくない。しかし、寒波による採卵率の低下などから鶏卵価格が上昇しているため、粉卵の無税の輸入枠を300トン(2010年の輸入数量は2トン)新設する。

 また採卵鶏用ひなの関税も一時的に撤廃する。


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