需給動向 海外

◆飼 料◆

米国農務省、2011/12年度の世界のトウモロコシ期末在庫率を大きく上方修正


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は10月12日、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「年度」)10月の米国および世界の主要農作物の月次需給見通しを公表した。本報告では9月30日に公表された9月1日時点の米国の在庫調査結果が反映されるとともに、作付面積と収穫面積が見直され、加えて作況調査に基づく単収の見直しがあった。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量の約4割を占める米国は期首在庫を528万トン引き上げたことから、世界全体では546万トン上方修正された。一方、大豆の期首在庫は、米国は29万トン下方修正したものの、アルゼンチン88万トン、ブラジル13万トン上方修正するなど世界全体の期首在庫は44万トン上方修正された。

表9 世界の主要飼料穀物の需給見通し(2011年10月12日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 
注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

トウモロコシは生産量を上方修正し、期末在庫を大きく上方修正

 USDAは補助金申請データなどを基に、米国のトウモロコシの作付面積、収穫面積などを見直した。作付面積と収穫面積は、先月の値からわずかに下方修正され、単収は先月の値が据え置かれた。これにより米国の生産量は163万トン下方修正された。

 世界の生産量は、中国400万トン増、ウクライナ300万トン増などにより542万トン上方修正され8億6009万トンと予測された。

 消費については、米国は先月の値を据え置いたが、中国やウクライナなどは飼料等向けが増えて全体の消費量は508万トン上方修正され、8億6666万トンと予測された。

 これらの結果、世界のトウモロコシの期末在庫は580万トン上方修正されて前年度を5.1%下回る1億2319万トンと予測された。これにより世界の期末在庫率は先月の13.6%から14.2%に上方修正された。

表10 世界の主要飼料穀物の国別需給見通し(2011年10月12日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 
注:年度は、世界各国の穀物年度

大豆は期末在庫をわずかに上方修正

 米国の大豆は、作付面積、収穫面積および単収がそれぞれわずかに下方修正されたため、生産量は69万トン減の8328万トンと予測された。世界の生産量は39万トン減の2億5860万トンと予測されている。

 一方、米国の消費量は25万トン上方修正されたが世界全体では消費量は49万トン下方修正の2億6175万トンと予測され、これにより期末在庫は46万トン上方修正されて前年度を9.0%下回る6301万トンと予測されている。期末在庫率は先月の23.9%から24.1%に上方修正された。


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