需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

23年の酪農家戸数は前年比4.1%減、乳用牛の飼養頭数は同1.1%減


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省が8月4日に公表した「畜産統計」によると、酪農家の飼養戸数は、23年2月1日現在で2万1000戸(前年比4.1%減)と、前年より900戸減少した。一方、乳用牛の飼養頭数は、飼養戸数の減少により146万7千頭(同1.1%減)と、前年より1万7千頭減少した。飼養頭数の内訳を見ると、経産牛は93万2900頭(同3.2%減)とやや減少した。一方、未経産牛は、搾乳牛を確保する動きから53万4400頭(同2.7%増)とわずかに増加した(図3)。

図3 乳用牛の飼育頭数と飼育戸数の推移
資料:農林水産省「畜産統計」
  注:2月1日現在

 酪農戸数を地域別に見ると、北海道は7500戸(前年比2.5%減)、都府県は1万3500戸(同5.6%減)であった。都府県については、すべての都府県で前年を下回っている。特に、戸数の多い上位3地域では、関東・東山が4300戸(同5.3%減)、東北が3370戸(同4.3%減)、九州は2050戸(同6.4%減)となり、九州の減少幅が最も大きかった。九州生乳販売農業協同組合連合会によると、この要因について、高齢化による廃業、分娩管理などの技術を応用できる肉牛繁殖経営への転換などが挙げられるとしている。

 乳用牛の飼養頭数を地域別に見ると、北海道は82万8千頭(前年比0.1%増)とわずかに前年を上回る一方、都府県は63万9千頭(同2.7%減)とやや減少した。都府県では、最も飼養頭数の多い関東・東山が20万7千頭(同3.0%減)、次いで多い東北が12万頭(同2.5%減)、3番手の九州が11万9千頭(同2.2%減)となり、これら上位3地域は、ほぼ同じ減少幅で推移した。都道府県別に見ると、最も減少幅の大きい宮崎県は1万3800戸(同13.8%減)とかなり大きく減少し、口蹄疫の発生による影響の大きさがうかがえる。

 一戸当たりの平均飼養頭数は、69.9頭で前年より2.1頭増加した。これを地域別に見ると、北海道は110.4頭(前年比2.9頭増)、都府県は47.4頭(同1.4頭増)となった。都府県のうち第1位は三重県で97.0頭(同9.2頭増)、第2位は大分県で78.8頭(同5.0頭増)、第3位は愛知県で77.0頭(同1.8頭増)となった。一方、平均飼養頭数が前年比で減少したのは11都県あり、これを総飼養頭数の多い順に見ると、宮崎県が41.7頭(同3.6頭減)、埼玉県が37.9頭(同0.2頭減)、新潟県が32.5頭(同0.3頭減)となった。


元のページに戻る