需給動向 海外

◆豪 州◆

生乳増産も乳価は引下げの見込み


◇絵でみる需給動向◇


2011/12年度の生乳生産量、前年度比4%増の見込み

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2011/12年度(7月~翌6月)の4月までの生乳生産量は、817万キロリットルと前年同期を4.3%上回った。増産の要因の一つには、飼料穀物給与量の増加による1頭当たり乳量の増加が挙げられる。1頭当たりの年間飼料穀物給与量は、1.74トン(1日当たり約4.8キログラム)と、前年度の1.66トンから4.8%の増加となった。現在、全酪農家の42%が同1.5トン以上の穀物を給与しており、これら酪農家の生乳生産シェアは6割を超えるなど、穀物給与量は増加傾向にある。2011/12年度は、小麦などの冬穀物が豊作であった上、収穫時の降雨などで飼料向けの割合が高くなったため、飼料穀物価格が比較的安価となっていることも給与量増加の要因である。

 なお、デーリー・オーストラリアは、2011/12年度の生産量について、最終的に前年度比約4%増の950万キロリットルと見込んでいる。

2014/15年度まで増産傾向も、増加幅は控えめ

 2012/13年度については、引き続きかんがい用水が豊富なことなどを受け、2011/12年度を2%程度上回る965万キロリットルと予測される。ABARES(豪州農業資源経済科学局)が行った酪農家への意向調査において、「増産する」と回答した割合が46%であったことも、この予測の裏付けの一つである。しかしながら、2014/15年度における生産量は、980~1010万キロリットルとわずかな増加にとどまると予測される。これは、これまでに数度あった干ばつの影響で酪農家の負債額は大きく(平均で66万豪ドル、約5200万円、1豪ドル=79円)、増頭などの規模拡大が難しいことによるものである。また、炭素税の導入や、マレーダーリング川流域における水利用可能量削減計画なども増産意欲を抑制する要因となっている。

図13 月別生乳生産量の推移
資料:DA

2012/13年度の乳価、前年度から1割超の下落

 一方、乳価(乳固形分ベース)については、国際乳製品価格の軟化を受け、引下げられるとみられる。2011/12年度のビクトリア州など豪州南部の乳価は、前年度の1キログラム当たり5.80豪ドルから同5.3~5.4豪ドルに下落すると見込まれる。

 2012/13年度は、主要供給国が軒並み増産となった影響で、2011/12年度からさらに10~15%程度とかなり下落し、同4.5~4.9豪ドルと予測される。乾燥気味の気候となっているビクトリア州西部では、乳価下落の影響が特に懸念される。

表9 豪州南部における乳価の推移
資料:DA
 注:2011/12年度は推定値、2012/13年度は予測値

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