需給動向 海外

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生乳価格下落継続、24カ月ぶりに前年を下回る


◇絵でみる需給動向◇


 LTO(オランダ農業園芸組織連合会)によると、域内主要乳業17社の4月の平均生乳価格は、前年比2.7%減の32.18ユーロ(3,186円:1ユーロ=99円)となり、24カ月ぶりに前年を下回った。

 各国の主要乳業メーカー別の生乳価格をみると、100キログラム当たりダノン(フランス)は2.69ユーロ減の31.77ユーロ(3,145円)、ソディアール(フランス)は0.94ユーロ減の同31.87ユーロ(3,155円)となった。また両社とも5月にさらに0.4ユーロの引き下げを予定している。フリーズランド・カンピナ(オランダ)も、0.5ユーロ減の同30.51ユーロ(3,020円)で、5月にさらに1.0ユーロ引き下げを予定している。

 ZMB(ドイツ乳製品市場価格情報センター)は、生乳価格の下落要因について、EU全体の生乳生産量が2012年1月〜3月、前年比2.3%増と増加していることとしている。国別の生産動向をみると、第1四半期において、新加盟国(EU10)の増加率は平均8.1%と大幅の増加をみせる一方で、旧加盟国 (EU15)は平均2.2%の増加であり、新加盟国で大幅に伸びている。新加盟国のハンガリーは同12.1%増の131万トン、ポーランドでは同5.0%増の950万トン、また、旧加盟国のフランスも同4.2%増の2475万トンと大幅に増加した。

 4月と5月における生乳出荷量も前年比2〜3%増で推移すると見込まれており、さらなる価格の下落が懸念される。

図10 EUにおける生乳価格の推移
資料:LTO
 注:域内主要乳業17社の平均値
表7 2012年1月〜3月までの加盟国別生乳生産量
資料:ZMB

バター価格下げどまらず、生産量前年比6.8%増が原因か

 ZMBによると、4月のバター価格は前年比34%減の100キログラム当たり267ユーロ(2万6433円)となり、2012年1月以降の下落が継続している。下落の要因について、生産量増加、輸出の減少、輸入の増加などが指摘されている。 2012年1月〜2月のバターの生産量は、EU全体で前年比6.8%増の33万3300トンとなり、2万トン以上の増産となった。デンマーク、オランダなど主要生産国で増加幅が大きかった。これは、前年度の牛乳・乳製品価格の好調が背景にあり、特にバター価格は高水準で推移したため各国で生産が増加した。

  バター価格の下落により、2012年3月から開始した民間在庫は積み上がっている状態にある。ZMBは「価格の下落は、生産量増加、輸出減少、輸入増加が組み合わさったものであり、バター需要が低下したわけではなく一時的なもの」としている。

図11 バター卸売価格の推移
資料:ZMB
図12 EUにおける乳製品の輸出動向(1月〜2月)

資料:ZMB
表8 2012年1月〜2月までの加盟国別バター生産量
資料:ZMB

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