需給動向 国内

◆鶏 肉◆

平成23年度の鶏肉調製品輸入量は過去最高


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成24年3月の鶏肉調製品の輸入量は3万2千トン(前年同月比5.5%増)と8カ月連続で前年同月を上回った。平成23年度合計では43万2千トン(前年度比11.5%増)とかなり大きく増加し、過去最高の輸入量となった。国内における外食・中食において安価な鶏肉調製品への需要は依然として旺盛であり、中国・タイを中心に輸入量が増加している。特に中国産は、平成23年度合計で22万2千トン(同18.7%増)と大幅に増加した。

 また、平成24年3月の鶏肉輸入量は、2万6千トン(前年同月比21.0%減)と大幅に減少した。平成23年度合計では、上半期に東日本大震災の影響による国産品の代替需要の輸入増加があったことから、前年度を10.2%上回る47万5千トンとなった。国別ではブラジル産が41万8千トン(前年度比7.6%増)と全体の約9割のシェアを占め、次いで米国産が4万3千トン(同22.6%増)となった。

 一方、平成24年3月末の推定期末在庫量(機構調べ)は、輸入品が11万4千トン(前年同月比43.6%増)、国産品が3万3千トン(同25.2%増)、合計では14万8千トン(同39.0%増)となり、平成24年1月の15万4千トンのピークから徐々に取り崩しが進んでいる(図4)。しかしながら、国産鶏肉の卸売価格(東京)は在庫過剰などを反映して、平成24年4月のもも肉の価格はキログラム当たり578円(同17.4%安)、むね肉で172円(同37.9%安)と依然低迷が続いている。

図4 鶏肉・鶏肉調製品輸入量、生産量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省「食鳥流通統計」

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