需給動向 海外

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豚枝肉卸売価格は引き続き高水準


◇絵でみる需給動向◇


2012年1月の豚枝肉卸売価格、前年同月比11.9%高

 欧州委員会によると、EUにおける1月の豚枝肉卸売価格は100キログラム当たり151.37ユーロ(約15,440円、1ユーロ=102円)と前月から5.0%下落したものの、前年同月と比べ11.9%高となった。EUの豚枝肉卸売価格は、2010年10月以降、一貫して前年を上回る水準で推移している。この要因としては、域外向け輸出が好調なことが挙げられる。

 2011年1〜11月の豚肉輸出量(生体、内臓肉などを含む)は、295万8281トン(製品重量ベース、前年同期比20.5%増)と前年同期と比べ大幅に増加した。輸出の増加は、ユーロの為替レート低下などにより、国際市場におけるEU産豚肉の相対的な競争力が向上したためとみられ、中でも、中国および韓国向け輸出が大幅に増加している。2011年1〜11月の中国向け輸出量(香港向けを含む)は87万2667トン(同50.7%増)と前年同期を大幅に上回った。中国では、豚肉需給のひっ迫により価格が高騰し、輸入需要が増加した。一方、韓国向け輸出量は18万1802トン(同99.3%増)と前年と比べ約2倍の水準となった。これは、同国で大規模な口蹄疫の発生により豚肉需給がひっ迫し、輸入需要が増加したことによる。そのほかの輸出先も全体的に増加傾向となっており、ロシア向けは78万8788トン(同4.9%増)、日本向けは21万1953トン(同4.4%増)となった。唯一減少したウクライナ向けは10万4274トン(同17.2%減)と前年を大幅に下回った。これは、同国が国内生産の増加に取り組んだ影響と考えられる。

図5 豚枝肉卸売価格の推移
資料:欧州委員会
表1 域外向け豚肉輸出量(1〜11月)
(トン、製品重量ベース)
資料:欧州委員会

欧州委、輸出は2013年がピークと予測

 欧州委員会が公表したEUの2011〜2020年における食肉需給予測によると、2020年の1人当たりの年間食肉消費量は83.1キログラムと、10年間で大きな変化はないと予測されている。品目別にみると、豚肉41.6キログラム(2010年比0.9%増)、鶏肉23.6キログラム(同2.1%増)、牛肉15.8キログラム(同3.2%減)、羊肉2.1キログラム(同5.9%減)と、鶏肉の伸びが最も大きいと予測されるものの、依然として豚肉が食肉消費の半分を占めるとみられる。

 EUの豚肉消費量は、人口増加や一人当たりの消費量の増加により増加傾向で推移し、2020年には2139万トンと、2010年比で3.4%増加の見通しである。消費量の増加を背景に生産量も増加すると予測され、2020年には2335万トンと、2010年比で3.6%の増加が見込まれている。

 域外向け豚肉輸出量は、2013年にピークに達した後、減少傾向で推移し、2020年には198万トン(2010年比5.4%増)になると予測されている。これは、世界的に豚肉需要が増加する中、短期的にはユーロ安によりEU産の競争力が高まるとみられるが、2013年以降は、ユーロの上昇やブラジルなどほかの豚肉輸出国の競争力の高まりが予測されるほか、中国、ロシアなど主要豚肉輸入国が自給率の向上に取り組んでおり、将来的に輸入需要の減少が見込まれるためとされる。

表2 2020年までの豚肉需給の見通し
(千トン、枝肉重量ベース)
資料:欧州委員会

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