需給動向 海外

◆ブラジル◆

2012年ブラジル産鶏肉輸出は前年を下回る


◇絵でみる需給動向◇


2012年の鶏肉輸出量は前年比0.3%減

 ブラジル産鶏肉輸出量は2009年以降、3年連続で前年を上回った。2012年も前年を上回ることが予測されていたものの、前年比0.3%減の356万トンとわずかに減少に転じた。2012年は、為替相場がドル高レアル安で推移したものの、ヨーロッパを始めとする世界的な景気後退の影響で、ブラジル産鶏肉の輸出は伸び悩んだ。

 主要輸出先国は、サウジアラビア(62万5000トン)、日本(38万トン)および香港(30万7000トン)と、前年同様の順位となった。特に、日本向けは前年比14.2%の大幅な減少となった。この要因としては、日本の国内鶏肉生産が東日本大震災の影響から回復したことや、2011年の日本向け輸出量が大幅増となっていることが挙げられる。

 米国農務省(USDA)によると、2013年のブラジル産鶏肉輸出量は同3%増が見込まれている。これは、2013年第1四半期は鶏肉生産コストが高い水準で推移するとみられることや、世界的な景気の後退を背景として、外需が伸び悩むとみられるためである。

生産コスト上昇によって鶏肉生産量が減少

 2012年の鶏肉生産量は前年比1.7%減の1265万トンとなった。これは、米国の干ばつに端を発した世界的な飼料穀物価格高騰による配合飼料価格の上昇がある。これを受け、生産コストが上昇したため、生産者が飼養羽数を減らし生産規模縮小を図った。減羽が進んだ結果、2012年1月は生体1キログラム当たり1.66レアルであった生産者価格は、12月には同2.95レアルと大幅に上昇した。これに伴い、卸売価格や小売価格も高騰している。

 USDAは、ブラジルの2013年の鶏肉生産量を前年比1.5%増と予測し、伸び悩むとみている。これは、飼料穀物の価格が引き続き高騰する懸念があること、内外需要とも低調との見込みであることが要因である。

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