需給動向 海外

◆世 界◆

トウモロコシの消費量は前年をわずかに下回る


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)の3月の世界農産物需給推計の月次報告によると、世界のトウモロコシ生産量(2012/13年度)は、アルゼンチンで干ばつによる減収懸念がある中、前年を上回る増産見通しとなったものの、主要生産国である米国やウクライナに加え、南アフリカで減産が見込まれることから前年度比3.2%減の8億5407万トンと減産の見通しとなった。

 輸入量は、主に中国で増加見通しである一方、飼料用小麦価格がトウモロコシ価格よりも安価であることを受け、韓国などで輸入量の減少が予測されることから同3.5%減の9568万トンと見込まれる。

 一方、輸出量は、増産見通しであるアルゼンチンで増加が見込まれるものの、主要輸出国である米国、ブラジルおよびウクライナで前年を大きく下回ることから、同24.8%減の8813万トンとかなりの程度落ち込むものとみられる。

 消費量は、飼料等向け増が見込まれ、中国やインドなどで増加することが予測される一方、トウモロコシ価格の高止まりにより消費が減退傾向にあることから、同1.4%減の8億6775万トンと見込まれる。

 なお、期末在庫は、減産となった米国およびウクライナで減少が見込まれ、同10.4%減の1億1748万トンと予測された。

南米の増産により大豆は増収見込み

 世界の大豆生産量(2012/13年度)は、米国および中国で前年を下回る減産となる一方、干ばつ懸念は残るもののブラジルおよびアルゼンチンで前年を上回る増産が見込まれることから、前年度比12.3%増の2億6800万トンと増産見通しとなった。

 輸入量は、減産となった米国および中国で搾油向け需要増が見込まれることから、同4.0%増の9689万トンと予測される。

 一方、輸出量は、米国産大豆価格の高止まりによる輸出減が見込まれるものの、豊作が見込まれる南米で前年を大きく上回る増加が予測されることから、同9.6%増の9906万トンとなった。

 消費量は、米国を除き、主要生産国すべてで前年を上回ることが見込まれることから、同1.8%増の2億6087万トンと増加するものとみられる。

 なお、期末在庫は、主にブラジルで前年を大きく上回る増加が見込まれることから同9.0%増の6021万トンと予測された。

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