需給動向 海外

◆米 国◆

フィードロット飼養頭数は前年を8パーセント下回る


導入頭数は前年をわずかに上回る

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が10月31日に公表した「Cattle on Feed」によると、フィードロット(注)の飼養頭数(2013年10月1日現在)は、前年同月比7.7パーセント減の1014万4000頭となった。繁殖雌牛の減少により、子牛生産頭数が減少した結果、2012年9月以降、フィードロット飼養頭数は、前年を下回って推移し、2012年との開きが最も大きくなった(図1)。

注:収容能力1,000頭以上規模が対象

図1 フィードロット飼養頭数の推移
資料:USDA
 一方、9月のフィードロット導入頭数は、同1.0パーセント増の202万5000頭となり、5カ月ぶりに前年同月を上回った(図2)。主要牛肉生産州の導入頭数を見ると、コロラド州およびサウスダコタ州を除いて前年を上回る又は前年並みの結果となり、特にオクラホマ州(同18%増)、ネブラスカ州(同11%増)およびアリゾナ州(同15%増)などは、前年をかなり大きく上回った。例年、フィードロット導入頭数は9月から年末にかけて増加に向かうものの、2013年9月は昨年をわずかに上回る程度であり、依然低水準にある。
図2 フィードロット導入頭数の推移
資料:USDA

導入時体重は過去5年平均を大きく上回って推移

 9月のフィードロット導入時体重は前年同月を約3キログラム上回る、1頭当たり325キログラムとなった(図3)。同月の導入時体重の比較において、これは2010年9月以降、5年間で、2番目の重量となっている。

 導入時体重は、2012年上半期以降、過去5年平均を上回る水準で推移している。特に3月以降、前年を大きく上回って推移しており、5月には前年を15キログラム上回っている。導入時体重が増加している背景としては、昨年、干ばつの影響を受けた草地の回復が進み、育成環境が改善したことが考えられるが、一方で、肥育もと牛価格の高騰が続いていることから、フィードロットでの肥育期間を短縮し昨年よりも収益を高めようとする経営判断が働いているものと考えられる。
図3 フィードロット導入体重の推移
資料:USDA

肥育もと牛の減少により、肥育もと牛価格は前年を上回って推移

 9月の肥育もと牛価格は、前年同月比10.4パーセント高の100ポンド当たり164ドル(キログラム当たり364円:1ドル=100円)となった(図4)。肥育もと牛価格は、7月以降、前年を上回って推移している。肥育もと牛価格が上昇している要因としては、繁殖雌牛群が回復にいたっていないため、肥育もと牛となる子牛生産頭数が減少していることやメキシコからの肥育もと牛の輸入頭数の減少が考えられる。

 また、今後も肥育もと牛の頭数不足により、肥育もと牛価格は高値で推移するものとみられ、USDAも2014年の肥育もと牛価格を、100ポンド当たり160〜170ドル(キログラム当たり355円〜377円)と予測している。
図4 肥育もと牛価格の推移
資料:USDA

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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