需給動向 海外

◆米 国◆

10月のフィードロット導入頭数、前年同月比12.5%減


◇絵でみる需給動向◇

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が12月21日に公表した「Cattle on Feed」によると、フィードロット(※)の飼養頭数(2012年12月1日現在)は前年同月比6.0%減の1132万8000頭となり、3カ月連続で前年を下回る水準となった。また、10月のフィードロット導入頭数は同12.5%減の218万頭となり、2012年5月以降連続で、前年同月を下回った。9〜10月の導入頭数の減少率(前年同期比)は過去4年間で最も大きい値となった。主要牛肉生産州の導入頭数は、テキサス州、カンザス州およびコロラド州で前年を下回る結果となった。特にテキサス州では、昨年6月下旬以降の干ばつの影響で、放牧地の牧草生産量が減少したため、干ばつの被害の少ない他州へ牛群の移動が行われた。この結果、同州での導入頭数は7月以降減少に転じている。
※収容能力1,000頭以上規模が対象

表1 フィードロット飼養頭数
資料:USDA/NASS 「Cattle on Feed」
図1 フィードロット導入頭数の推
資料:USDA/NASS「Cattle on Feed」

フィードロット導入時体重は過去5年平均を上回る

 フィードロット飼養頭数は減少しているものの、11月のフィードロット導入時体重は前年同月を約3キログラム上回る、1頭当たり312キログラムとなった。これは過去3年同月の導入時体重の中では最重量となっている。

 導入時体重は2012年上半期以降、例年を上回る水準で推移し、2012年下半期から現在にかけて、おおむね過去5年平均並みもしくはこれを上回る水準で推移している。導入時体重が増加した背景には、肥育素牛価格および飼料価格が上昇していることから、肥育期間の短縮を行い生産費を抑えることで収益性を高める狙いがあるものとみられる。

図2 フィードロット導入時体重の推移
資料:USDA/NASS「Cattle on Feed」

2013年の牛肉生産量は減少見込み

 7月以降、フィードロット導入頭数は、前年に比べてかなりの程度減少したため、今後、出荷時期となる12月後半から翌3月にかけての肉用牛と畜頭数が同様に減少する可能性がある。

 USDA/NASSが12月21日に公表した「Livestock Slaughter」によると、11月のと畜頭数は前年並みの278万4000頭となっており、結果として、フィードロットの飼養頭数が減少していることになる。また、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)も2013年の牛肉生産量はと畜頭数の減少による減産見通しを示している。


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