需給動向 海外

◆中国の畜産物需給◆

牛肉価格の上昇が継続


牛肉卸売価格は45元を突破

 中国商務部によると、11月30日時点の牛肉卸売価格は1キログラム当たり46.14元(600円:1元=13円)となった。

 牛肉の月平均卸売価格は28カ月連続の上昇となった。2012年に入り、値上がり傾向は強まっており、2012年11月の月平均卸売価格は半年間で19.0%上昇し、前年同期(6.2%高)と比べて上昇幅は拡大している。

 牛肉は、価格支持制度のある豚肉とは異なり、需給が価格に反映されやすい。2012年の中国の牛肉生産において、大きな減産要因はなかったことから、供給は例年並みであるとみられる。このため、牛肉卸売価格の上昇要因は、飼料価格高騰による生産コストの上昇と需要の増加によるものと考えられる。

牛肉輸入量も増加基調に

 2012年7〜10月の輸入量は20,814トンと、前年の年間輸入量(19,701トン)を上回る水準となった。しかしながら、牛肉の輸入量は、最近は年間2〜3万トンで推移しており、依然として冷凍牛肉の需要は限定的であるとみられる。

 主な輸入国は、豪州、ウルグアイ、ニュージーランド、ブラジル、カナダとなっており、7〜10月の輸入量割合では、豪州が35.9%(7,474トン)、次いでウルグアイが24.8%(5,155トン)、ニュージーランドが16.2%(3,382トン)と、3カ国で8割程度を占めた。また、2012年下半期の輸入価格は、ウルグアイ産やニュージーランド産などの廉価な牛肉の輸入増加を受けて下落した。
図17 牛肉の卸売価格の推移(月別)
資料:中国商務部
図18 牛肉の輸入量と輸入価格の推移(月別)
資料:GTI社「World Trade Atlas」
  注:HSコード0202

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