需給動向 海外

◆インド◆

2012年の生乳生産量は1億2900万トン


第4四半期の生乳生産量は前年比増の見込み

 インド農業省畜産酪農・漁業局によると、2012年第3四半期(7〜9月)の生乳生産量は、前年同期比4.5%増の3055万トンとなった。

 また、第4四半期(10〜12月)の生乳生産量は、同8.3%増の4881万トンと見込まれる。これは、8月以降の降雨量がモンスーン期前半(6〜7月)の降雨不足を補い、平年(過去50年平均)を3%下回るにとどまったことにより牧草の生育状況が回復したためである。2012年の生乳生産量は、前年比5.6%増の1億2900万トンの見通しとなった。

図15 2012年生乳生産量の推移

資料:インド農業省畜産酪農・漁業局
  注:10〜12月は見込み。

生乳取引価格、脱脂粉乳価格は下落基調

 生乳取引価格は、10月以降の生乳生産の回復を反映して、7月の1キログラム当たり198ルピー(330円:1ルピー=1.66円)をピークに下落し、11月は同157ルピー(329円)となった。

 脱脂粉乳価格も、2012年の供給量128万トンに対して消費量が88万トンとの見通しから、11月は同158ルピー(262円)と下落傾向で推移している。

図16 生乳および脱脂粉乳の価格動向

資料:インド乳業協会、機構調べ
注1:生乳価格は無脂固形物(SNF)換算
  2:生乳は生産者販売価格、それ以外は卸売価格

2011年度の脱脂粉乳の輸入量は4万5千トン弱

 2011年度(4月〜翌3月)の脱脂粉乳の輸入量は、前年度比約2倍の4万4627トンとなった。これは、インド政府が国内消費量の増加による粉乳の供給不足を懸念し、無税枠(3万トン)を設置したためである。

 2012年度第1〜2四半期の輸入実績はゼロである。これは、国内生乳生産が好調であったことや、2011年度の在庫の積み残りにより供給過剰であったためとみられる。
表11 脱脂粉乳の輸入量の推移
資料:商工省商務局外国貿易部
注1:年度は4月〜翌3月
  2:2012年度は4〜9月の値

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