需給動向 海外

◆飼 料◆

米国農務省、トウモロコシの輸出量を下方修正


◇絵でみる需給動向◇



 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2月8日、2月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。

◇米 国◇

トウモロコシの在庫率はわずかに上昇

 米国におけるトウモロコシの生産に係る数値は、生産が既に終了しているため、前月の予測値が据え置かれた。消費量は飼料向けが前月の予測値に据え置かれたものの、甘味料およびコーンスターチなどを含む食品向けや、種子向けの増加見通しにより前月の予測値から2000万ブッシェル上方修正された。一方、輸出量は米国産トウモロコシ価格の高止まりによる輸出量の減退や輸出競合国であるブラジルの輸出が好調であることを反映して、前月の予測値から5000万ブッシェル引き下げられた。その結果、期末在庫は6億200万ブッシェルから3000万ブッシェル引き上げられて6億3200万ブッシェルへ増加の見通しとなった。これにより在庫率は前月の5.3%から5.6%とわずかに上昇した。生産者平均販売価格は、在庫率が上昇したことにより、上値および下値ともに前月の予測値から0.25ドル引き下げられ6.75〜7.65ドル(621〜703円:1米ドル=92円)になると予測された。

表5 米国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年2月8日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、各年9月〜翌8月

◇世 界◇

トウモロコシ、世界の消費量は前年をわずかに下回る

 世界のトウモロコシ生産量(2012/13年度)は、主要生産国であるアルゼンチンおよび中国で増産見通しにあることに加え、欧州やメキシコで前年を上回る増産が見込まれるものの、世界の生産シェアの4割を占める米国や増産傾向で推移するウクライナで減収が見込まれることから前年度比3.2%減の8億5438万トンと減産の見通しとなった。

 輸入量は、畜産物の生産量が増加傾向にある欧州および中国で増加見通しである一方、トウモロコシ価格の高騰を受け中東などで輸入量の減少が予測されることから同3.4%減の9567万トンと見込まれる。

一方、輸出量は、アルゼンチンでは増加が予測されるものの、米国、ブラジルおよびウクライナで前年を大きく下回ることから、同23.1%減の9003万トンとかなりの程度落ち込むものとみられる。

 消費量は、飼料向けの増加が見込まれる欧州および中国などで増加することが予測される一方、米国の減産による価格高騰の影響で世界的には飼料向けなどの消費が減退傾向にあることから、同1.4%減の8億6734万トンと見込まれる。

 なお、期末在庫は、米国およびウクライナで減少が見込まれ、同9.9%減の1億1804万トンと予測された。
表6 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年2月8日米国農務省公表)

資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注1:年度は、世界各国の穀物年度
  2:南米の生産量については見込み

大豆の期末在庫、前年を上回る水準

 世界の大豆生産量(2012/13年度)は、主要生産国である米国(前年比2.5%減)および中国(同13.0%減)で下回るものの、大豆の国際価格が好調なことを受け、主に南米で作付面積の拡大が見込まれることから、前年度比12.9%増の2億6950万トンと増産見通しとなった。

 輸入量は、世界の輸入量の3分の2を占める中国で需要増が見込まれることから、同3.6%増の9655万トンと予測される。

 一方、輸出量は、これまで世界の大豆輸出量の大半を占めていた米国で干ばつの影響による減産と高値による輸出量の減少が見込まれるものの、南米からの輸出量が前年を大きく上回るとみられるから、同9.3%増の9886万トンと増加見通しとなった。

 消費量は、主に中国で前年を上回ることが見込まれることから、同2.4%増の2億6232万トンと増加するものとみられる。

 なお、期末在庫は、南米で増加が見込まれることから同8.8%増の6012万トンと予測された。
表7 主要国における大豆の需給見通し(2013年2月8日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注1:年度は、世界各国の穀物年度
注2:南米の生産量については見込み

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