需給動向 国内

◆豚 肉◆

平成24年12月の輸入量、冷凍品が大幅に減少


◇絵でみる需給動向◇


 平成24年12月の豚肉輸入量は、冷凍品・冷蔵品合わせて5万9186トン(前年同月比12.4%減)となった(財務省「貿易統計」、図2)。

図2 豚肉輸入量の推移
資料:財務省「貿易統計」

 このうち、主に加工に仕向けられる冷凍品は3万6775トン(同22.4%減)となり、2カ月連続で前年同月を20%以上下回る大幅な減少となった。高水準であった前年同月の反動や輸入申告に係る審査・検査のさらなる充実化、在庫の高水準での推移、為替の円安傾向など様々な要因が影響しているとみられる。このことを反映し、冷凍品の仲間相場は、「ヒレ」など一部の高価格部位を除き、軒並み前年同月を上回っている(機構調べ)。今年度、輸入量が前年同月を下回った月はすべて20%以上の大幅な減少となっており、月ごとの輸入量の変動が大きいことから、1月以降の輸入量については見通しが立てづらい状況にある。

 一方、主にテーブルミートに仕向けられる冷蔵品の輸入量は、2万2406トン(同11.4%増)となり、3カ月連続で前年同月を上回った。冷蔵品の輸入量は、競合する国産品の価格の影響を受けるとされているが、国産豚枝肉の卸売価格(東京・大阪市場省令規格加重平均)が、10月、11月はキログラム当たり400円前後、12月も同430円(同4.4%安)と弱含みで推移する中(農林水産省「食肉鶏卵速報」)、「かたロース」や「ばら」といった鍋物商材の引き合いがあるため、増加傾向で推移していると思われる。仲間相場を見ると、これらの部位は国産・輸入を問わず上昇している。また、直近1〜2年の傾向として、国産品の卸売価格相場にかかわらず、冷蔵品は毎月2万2000トン程度が輸入されていることから、こうした傾向が継続していると言える。この傾向を踏まえると、例年1月は輸入量が減少する時期とはいえ、少なくとも2万トン弱は輸入されるものと見込まれる。

推定期末在庫、5カ月ぶりに前年比減

 こうした中、その大半を輸入冷凍豚肉が占める推定期末在庫は、前月から1万2367トン取り崩され16万4552トン(同0.9%減)となった(機構調べ、図3)。10月までの積み増し傾向から一転し、11月以降は2カ月連続で取り崩しが進んでおり、5カ月ぶりに前年同月を下回った。これは、11月、12月と輸入量が減少していることに加え、年末の需要期に高水準の在庫を減少させたいという思惑が働いたためとみられる。

 輸入豚肉の推定出回り量は、7万2128トン(同1.2%増)となり、輸入量は減少したものの、在庫が取り崩されたことから、前年同月をわずかに上回る状況となった。なお、国産豚肉の推定出回り量は、凍結在庫となる数量がわずかであるため、国内生産量とほぼ等しい8万1342トン(同0.8%増)と前年同月をわずかに上回った。
図3 豚肉の推定期末在庫の推移
資料:農畜産業振興機構調べ

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