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2013/14年度の牛肉輸出は減少見込みも、輸出単価は上昇


2013/14年度の輸出向けと畜頭数は減少見込み

 ビーフ・アンド・ラム・ニュージーランド(BLNZ)は2014年4月、2013/14年度(10月〜翌9月)の牛肉産業の見通しに関する期中改訂版を公表した。

 これによると、2013/14年度の輸出向け牛と畜頭数は、225万2000頭(前年度比1.7%減)とわずかながらも減少が見込まれている(図5)。その内訳は、経産牛が86万9000頭(同5.6%減)、未経産牛が40万2000頭(同5.2%増)、去勢牛が54万8000頭(同2.5%減)、雄牛が43万3000頭(同1.9%増)となっている。

 経産牛のと畜頭数減少の要因の一つとしてBLNZは、生乳生産が好調なことから乳用経産牛の保留が増加することを挙げている。一方、雄牛と畜頭数の増加については、好調な酪農部門での子牛の生産拡大を挙げている。

図5 輸出向けと畜頭数の推移
資料:BLNZ
  注:年度は10月〜翌9月

輸出量は減少する一方、輸出単価は上昇

 牛のと畜頭数の減少見通しを反映し、2013/14年度の牛肉輸出量(船積重量ベース)は36万1000トン(前年度比1.1%減)と減少が見込まれている(図6)。一方、輸出単価が1トン当たり6100NZドル(注)(同6.2%高、55万円:1NZドル=90円)と上昇を見込み、輸出額(FOB)は22億200万NZドル(注)(同5.0%増、1982億円)と増加することを見込んでいる(図7)。ニュージーランドの牛肉輸出量の約5割は米国向けであるが、現在、米国では牛飼養頭数の減少から牛肉供給量が減少しており、同国の牛肉需要の高まりにより米国向け輸出価格は上昇基調にある。

(注)2013/14年度のNZドルの対米ドル平均為替を0.81 米ドルと見込んで算出
図6 牛肉輸出量の推移
資料:BLNZ
  注:船積重量ベース、子牛肉含む
図7 牛肉輸出額と輸出単価の推移
資料:BLNZ
  注:FOB、子牛肉含む

2013/14年度上半期の牛肉輸出量、主要輸出先はおおむね減少

 2013/14年度上半期(10月〜翌3月)の輸出量は、17万9783トン(前年同期比0.8%減)となった。

 国別では、米国向けが8万8310トン(同5.6%減)、中国向けが1万7135トン(同0.9%減)、韓国向けが1万1976トン(同10.6%減)、日本向けが1万1871トン(同11.4%減)と、主要輸出先がおおむね減少した。

 一方、台湾向けが1万947トン(同32.5%増)、インドネシア向けが8800トン(同3.9倍)と大幅に増加した(図8)。インドネシア向けの増加として、インドネシア国内の牛飼養頭数の減少により、同国が輸入割当量などの輸入制度を変更したことが要因とみられている。

図8 国別輸出量の推移(10月〜翌3月)
資料:BLNZ
  注:船積重量ベース、子牛肉は含まない
(調査情報部 伊藤 久美)


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