需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成25年度の鶏卵輸入量、2年ぶりに増加


 平成25年度の鶏卵輸入量(殻付き換算ベース)は12万4148トン(前年度比0.8%増)と、2年ぶりに前年度を上回る結果となった(図7)。

 鶏卵の輸入量は、国内需要量の3〜5%程度を占めており、国内生産量、価格動向、為替相場などの影響を受けて変動する。

 23年度は、23年1〜3月にかけて発生した高病原性鳥インフルエンザにより採卵鶏が殺処分されたことや、3月の東日本大震災後に物流網が混乱し、飼料不足などに対応するため採卵鶏が早期淘汰されたことによる国産品不足への対応から、加工メーカーなどの輸入品手当てが行われ、13万7847トン(同20.9%増)と大幅に増加した。

 24年度は、前年度の反動により12万3168トン(同10.6%減)と、かなりの程度減少したが、震災発生以降に輸入鶏卵需要が一定程度定着したこともあって、22年度の実績を上回った。

 25年度は、為替の円安状況下にありながらも、下半期の国内鶏卵相場が高水準であったこと、コンビニエンスストアからの引き合い(デザート、パック売りの卵焼きなど)が鶏卵需要全体をけん引したことなどから、鶏卵輸入量が増加したものと考えられる。
図7 鶏卵輸入量の推移

資料:財務省「貿易統計」
注 1:殻付き換算後の数値
注 2:換算係数は、卵黄粉2.2倍、全卵粉4.4倍、卵黄液1倍、卵白(乾燥8.6倍、乾燥を除く1.2倍)
    全卵液1.1倍。

4月の平均卸売価格、前年同月比51円高

 平成26年4月の平均卸売価格(M玉、東京)は、9カ月連続して前年同月を上回る223円(前年同月比51円高)と2カ月連続で低下したものの、依然として高水準で推移した。鶏卵の季節的な卸売価格の動向は、例年、大型連休明けに下落傾向(平成23年度は、東日本大震災の影響で例外)で推移する時期に当たり、本年も同様の動きを見せているが、引き続き堅調な需要に支えられ、高水準で推移している。

 今後、夏に向けた気温の上昇に伴い、需要が低下する時期を迎えるが、引き続き卸売価格が高水準で推移するか注目される(図8)。
図8 鶏卵相場の推移(東京、M玉基準値)

資料:全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」
注 1:消費税を含まない。
注 2:平成23年上半期においては、東日本大震災の影響により、鶏卵の生産、出荷、流通が
    停滞したことにより、相場が上昇した。
(畜産需給部 藤原 琢也)


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