海外情報  畜産の情報 2015年2月号


米国のWagyu生産の現状

調査情報部 小林 誠、渡邊 陽介


【要約】

 米国のWagyuは、1990年代終盤に集中的に輸入された生体牛や凍結精液を基に構築された非常に狭い遺伝子プールに依存している。当初は、日本への輸出を行うビジネスモデルに基づいていたが、日本市場で期待した価格水準が達成できなかったことや、米国でのBSE発生により米国からの輸入が停止されたことにより、米国内市場の付加価値産品としてのビジネスモデルへと変貌した。公式統計は存在しないが、米国内のWagyuの頭数は、アンガス種との交雑種を含めても約5万頭程度とされ、このうち、純粋種と称する牛は3千〜5千頭とされる。

 米国では、交雑種を含めWagyuの名称が使用されているため、日本の和牛とは概念が異なっている。しかし、交雑種を含めたWagyuと称される牛肉は、現行の米国農務省肉質判定基準では十分に高品質を反映しきれていないという声もある。

 米国では、米国内での高付加価値化を目指した「Wagyu」と称される牛肉が一定量生産されており、今後、米国産Wagyuのマーケットシェアをターゲットとして、日本産和牛肉の輸出拡大に取り組むことが重要である。

1 はじめに

 2013年12月、和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録された(1)。和牛は、この無形文化遺産とは直接的に結びつくものではないが、長い年月をかけて日本国内で育種・繁殖が行われており、日本食・食文化の一角を成し、食味や香りなどの品質面で外国種由来の牛肉とは一線を画すものであることから、農林水産省の後援により(公社)中央畜産会が事務局となって、統一ロゴマークの下でオール・ジャパンでの和牛輸出拡大の取り組みが始まっている(図1)。

図1 日本の和牛統一ロゴマーク

 一方、日本以外でもいわゆる「和牛」の生産が行われていることは、マスコミなどを通じて既に報道されているところである。

 わが国では、景品表示法に基づく「食肉の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」により、「和牛」と表示できる牛肉は、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種と、これら品種間の交雑種とされており(2)、「和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン」(3)では、上記4品種の牛は、登録制度などにより証明が可能であり、かつ、日本国内で出生し、国内で飼養された牛であることが必要とされている。また、上記「ガイドライン」では、「和牛」と類似の表示として、WAGYU、わぎゅう、ワギュウを例示し、これらの表示についても「和牛」と同様の要件を求めているほか、「黒」の表示についても、黒毛和種との誤認を生じさせないために品種名の併記を求めている。

 牛の生産は、飼養形態により土地の必要性の度合いは異なるものの、放牧地や飼料畑を含めて考えると、利用可能な土地面積が広い方がコスト面で有利であることは明らかだろう。このため、国土の広大な米国や豪州でいわゆる和牛が生産されると、日本の肉牛農家にとって脅威であるとの見方がある(4)一方で、「スーパーで見かけた」などの断片的な情報に基づく漠然とした不安感である可能性もある。

 今回は、米国での生産状況を中心に、現地調査の結果を含め報告する。米国産のものは、後述のように日本の和牛とは概念が異なるため、本稿では米国産を「Wagyu」と表記する。

 なお、米国には多数のWagyuブランドが存在するが、本報告には食肉処理場より川下の流通段階での情報は含まれていない。また、本稿中の為替レートは、1米ドル=122円(2014年12月末日TTS相場:121.55円)を使用した。

2 米国のWagyu生産

(1)米国Wagyuの来歴

 なぜ、また、どのようにして米国に和牛がもたらされたのかについて、米国には公式な記録が見当たらない。しかし、米国の和牛輸入の代理人を務めたとする豪州のブラックモア・ワギュウ社のデビット・ブラックモア氏によれば、米国Wagyuは、1976年にコロラド大学が黒毛和種と褐毛和種の種雄牛各2頭を輸入したことに始まるとされており、同氏は自社のホームページで、当時の輸入許可証のコピーを保有しているとしている(5)。雌牛が輸入されなかったため、米国ではアンガス種との雑種に3回戻し交配をすることによりピュアブレッド(和牛の血量が93.75%。字義としては「純粋種」だが、純粋種ではない。)が成立したとされる。[1976年から1998年の間に、日本から米国に和牛の遺伝資源(生体247頭、凍結精液1万3千本)が輸出されたところ。]

 1993年には、ワシントン州知事の発案により、対日輸出品目開拓の一環として和牛の種牛買い付け調査団が日本に派遣された。同調査団の一員だったジェリー・リーブス元ワシントン州立大学教授によれば、当時、黒毛和種5頭(雄2頭、雌3頭)を輸入し、その後の輸入牛の一部も含め、ワシントン州立大学を中心に増殖が進められたが、米国産Wagyu肉は、日本市場で日本の和牛肉よりもかなり安い価格での評価しか実現できなかったため、当初企図したビジネスモデルは崩壊したという。米国では、遺伝資源プールが小さいことがWagyu関係者の悩みの種となっている。米国Wagyu協会(AWA)のマイケル・ビーティ事務局長は、「和牛は日本の宝」なので、遺伝資源が輸出されないことも「致しかたない」としながらも、「米国産Wagyuは、品質面では日本国産和牛肉に対抗できないことが明白なので、生産者は米国内市場での付加価値化を目指しており、日本の和牛生産者の脅威とはならない」と述べた。

(2)米国Wagyuの種類

 米国へは、黒毛和種と褐毛和種のみが輸入されており、和牛の血量に応じて(1)「フルブラッド(和牛の血量が100%のもの。以下「Wagyu純粋種」という。)、(2)「ピュアブレッド」(和牛の血量が93.5%以上、100未満のもの)、(3)「パーセンテージ」(和牛の血量が93.5%未満だが、0%でないもの。多くの場合、アンガス種との交雑種であり、アンガス種を3代続けて交配すると和牛の血量は12.5%まで低下する。)の3種類に分類している。わが国と異なり、米国のWagyu生産者は、角を嫌う傾向が強く、無角和種由来ではない無角(Polled)の黒毛和種の系統が好まれている。

 これらのWagyuをAWAに登録する際には、DNA検査によって和牛の血縁があることを確認することが求められている。ただし、AWAの会員であっても牛を登録している生産者は、まだ少数派であるとされており、パーセンテージまで含めても登録頭数は2000頭程度にすぎない。2014年10月末にテキサス州サンアントニオ市で開催されたAWAの年次会議で出会った夫婦は、首都ワシントンに隣接するバージニア州で、付加価値化を狙ってWagyuを導入したばかりだということだったが、自身の購入した牛には登録証もDNA検査結果もついていなかったとして、大いにうろたえる結果となった。

(3)飼養戸数および頭数

 米国内のWagyu生産動向に関する米国農務省(USDA)などによる公式調査記録は存在しない。規模の大小が混在しているため、飼養頭数の推定には程遠いが、AWAの会員の州別分布から推定すると、上位5州は、(1)テキサス州(99件)、(2)カリフォルニア州(27件)、(3)オレゴン州(23件)、(4)ミズーリ州(20件)、(5)ワシントン州(16件)となり(図2)、米国内の牛の頭数分布の上位5州とは大きく異なっている(図3)。上位5州には含まれていないが、アイダホ州には全米最大のWagyu生産者とされるアグリ・フーズ社(ただし、アンガス種との交雑種のみを飼養)があるため、飼養頭数では西部から北西部に多いと推定される。

 頭数についても統計が未整備であり、調査時(2014年10月)は、秋の分娩時期でもあったことから、AWAのビーティ事務局長による推定にも大きな幅があり、Wagyu純粋種が3000〜5000頭、ピュアブレッドが5000〜1万頭、主にアンガス種との交雑種であるパーセンテージが約4万頭とされている。米国には2014年1月1日現在で8800万頭程度の牛が飼養されており、Wagyuの割合は0.1%にも満たないが、ビーティ事務局長は、ここ3〜5年間で頭数が2倍に増加したと、その急成長ぶりを強調していた。

図2 米国Wagyu協会の会員の州別分布
(AWAおよびWagyu Internationalのデータを基にALIC作成)
図3 米国の牛の分布(頭数上位5州:(1)テキサス州(1190万頭)、
(2)ネブラスカ州(645万頭)、(3)カンザス州(610万頭)、(4)カリフォルニア州(535万頭)、
(5)オクラホマ州(450万頭)。(牛には乳用牛を含んでおり、全米最大の
酪農生産州であるカリフォルニア州は乳用牛が178万頭となっている。)

(4)関連団体

 米国には、Wagyu関連でAWA、テキサスWagyu協会(TWA)、米国あか牛協会の3団体がある。このうち、AWAとTWAは会員の重複が多く、AWAのビーティ事務局長によれば、TWAはマーケティングを中心とした組織としている。また、同事務局長によれば、テキサス州には、牛のことはテキサスが一番でなければならないという気風があるため「テキサス」を冠した組織ができたと考えられるが、Wagyuの改良、登録、普及業務はAWAが行っており、TWAとは協力関係にあるということである。米国あか牛協会は、最初に日本から褐毛和種の生体牛を輸入した牧場が設立した団体であり、登録もこの牧場が行っている。

(5)生産体系

 米国Wagyuの場合、大手では繁殖から肥育、と畜、食肉処理までを1社内で行っているが、大手以外では繁殖から育成までを同一牧場内で行い、肥育はアイオワ州のエー・ツー・ジー・フィーダーズ(AtoZ Feeders)のようなWagyu専門の肥育牧場に委託することもある。一般的な肉牛の場合には、繁殖経営とフィードロットの間に、主に畑作農家が育成専門のバックヤーダーとして介在することが多い。

大規模Wagyu生産の事例:マサミ牧場(カリフォルニア州、2013年10月調査)

 マサミ牧場は、日本の食肉企業のグループ会社であり、同牧場で肉牛生産を行い、オレゴン州にあるやはり同じグループのマサミフーズでと畜、食肉処理を行っている。牛肉の販売は、ジョージア州アトランタ市に本社を置くハルパーンズ社が一手に行っているという。

 牧場の総面積は、2833ヘクタールであり、このうち採草地・飼料畑が850ヘクタールある。飼料畑のは種は、毎年行っており、使用している草種は、イネ科ではダリスグラス、イタリアンライグラス、えん麦、マメ科はクリムゾン・クローバとされる。は種床の準備には1カ月ほどかかり、冬季の降雨に期待し、10月頃には種を行う。飼料畑には堆肥も散布しているが、面積が広いため飼料畑への散布を一巡するのに4年かかる。

写真1 牧場管理とともに肥育もと牛や飼料穀物の買い付けなど
多岐にわたる業務を担当する神田牧場長。
写真2 飼料畑にディスクハローをかけているところ

 飼養している牛の内訳は、雄牛が40頭、未経産牛を含む雌牛が1600頭。牛の品種は、Wagyu純粋種(リーブス元教授の牧場から買入れ)、アンガス種、Wagyuとアンガス種との交雑種となっている。肥育もと牛を外部から導入する場合には、270〜410キログラムの牛を導入し、227日程度肥育して635キログラムで出荷することが多いという。同牧場が出荷していると畜施設では、この出荷体重を超過した場合には、超過分1ポンド当たり10セント(1キログラム当たり27円)がディスカウントされるため、肥育期間を長くしてもメリットがないという。ちなみに、日増体量は、約1キログラムに達する。

 飼料は、乾牧草はすべて自給しているが、肥育の際に用いるトウモロコシは蒸気で加熱したコーンフレークを外部から購入している。賞味期限の切れた食用コーンフレーク、アーモンド種皮、ピスタチオ残さ、プルーン・ジュースかすなども、コストが安いので飼料として利用している。繁殖牛は、舎飼い期間中は、1日1回の給与を行い、肥育牛には朝・夕の2回給与している。畜舎は、コンクリート床に日除け用の屋根をかけたオープン式であり、1ブロックの収容頭数は、70〜90頭としている。

 牧場で生産した牛肉の肉質は、USDAの格付け最上位となる「プライム」が、アンガス種の場合60%程度、Wagyu交雑種では90%程度となっており、「プライム」の全国での出現率が3〜5%程度しかないことを考慮すると、極めて肉質が良好といえる。

写真3 パドック内のWagyu。牛舎内から撮影。

 米国Wagyuの繁殖経営では、子牛を生産し、雄を中心に選抜を行い、自家の牛群を改良するほか、選抜した種雄牛を他の牧場に貸し付けるものもある。また、繁殖経営とはいっても、自場で生産した子牛を育成・肥育し、食肉用として出荷するケースもある。また、肥育する場合には、牛の所有権を維持したまま、他のWagyu専門の肥育経営へ委託することもある。Wagyuの場合、他の欧州系肉専用種とは体型が大きく異なる(肩が発達)ため、大手の一般的な食肉処理場では適切な処理が行えず、適切な価格での買い手がつかない可能性が高い。このため、一般的な肉牛の肥育を行うフィードロットへ、肥育もと牛として販売されることはほとんどない。

 米国では、Wagyuであっても放牧による群飼育が中心となるため、繁殖はまき牛による自然交配が中心になっているとみられる。人工授精も行われているが、日本の(一社)家畜改良事業団や県の改良組織のような組織的な凍結精液生産者はなく、Wagyuオークションの際に、個別の生産者から凍結精液が出品されているケースが中心となっている。ちなみに、2014年11月1日にテキサス州サンアントニオ市近郊で開催されたオークションには、凍結精液65本(うち、黒毛10本、褐毛55本)が出品され、黒毛の落札価格は1本当たり65米ドル(7930円)、褐毛の落札価格は同50〜160米ドル(6100〜1万9520円。なお、160米ドルのものは、EUへの輸出認証を取得済みで特に高価格。)だった。一部では、受精卵移植も行われている。

 アンガス種などの未経産牛にWagyuが交配される場合には、産子を小さくして初産の分娩を容易にすることを期待すると同時に、脂肪交雑を高めることによる枝肉の格付け向上が期待される。母牛にホルスタイン種が用いられた場合のぬれ子の価格は、ホルスタイン種の雄子牛価格の約25%増しに相当する、1頭当たり100ドル(1万2200円)がプレミアムとして上乗せされる。

 なお、米国には、生体牛の先物市場が存在するため、一般的な肉牛の場合には、この市場での価格が農家からの出荷の際の指標となり得るが、Wagyuの場合には、コロラド州の畜産情報会社であるキャトルファックス社が公表している現物取引データを基に価格が決められる。相対取引の場合には、価格が取引農家間の秘密事項とされるため明らかではないが、調査の際には、(キャトルファックス価格+52円/キログラム)とする話も聞かれた。

Wagyu繁殖経営の事例:ローンマウンテン牧場(ニューメキシコ州)

 ローンマウンテン牧場は、1965年に開設され、現在は、ロバート・エステリン氏夫妻が牧場主となっている。同氏は、以前はハリウッドの映画産業に従事しており、牧場の仕事に本腰を入れたのは2005年からだが、大変勉強熱心であり、AWAの元会長でもある。

 牧場の面積は、約1万1000ヘクタールと極めて広大だが、年間降水量は300〜350ミリメートルしかなく、半乾燥地であるため、持続可能な適正放牧強度は28〜32ヘクタールに1頭とされている。平均を30ヘクタール当たり1頭として試算すると、この牧場の最大飼養頭数は350頭以下となる。このため、2005年にWagyuを導入する以前は、ずっと赤字が続いていたということだ。エステリン氏がWagyuを導入したのは、ロサンゼルス近郊サンタモニカ市の高級日本食レストランで和牛肉の刺身を食べた際、味・風味の良さに感銘を受け、消費者は良いものは高くとも買う、ということに気付いたことがきっかけだという。牧場の牛は、受精卵移植のレシピアント用を除き、2008年までに全てWagyu純粋種に置き換えられた。
写真4 見渡す限り広大なローンマウンテン牧場とエステリン氏。
牧場内の同氏の自宅屋上から。
 現在、Wagyu純粋種は、繁殖可能な月齢のものが225頭(雄20頭、雌205頭)、未経産牛が100〜125頭おり、これに加えて、2014年秋に生まれた子牛がいる。また、受精卵移植のレシピアントとして100頭ほどの他品種の雌牛も飼養している。

 繁殖は、95〜98%を人工授精で行い、子牛ができるだけ12〜2月の間に生まれるように交配計画を立てている。また、牧場内に受精卵回収・移植施設を有しており、余剰の精液や受精卵は施設内で凍結保存している。コロラド大学の専門家の指示により、過排卵処理や発情同期化を行い、この専門家が3日間ほど牧場に滞在して、受精卵の回収・検査・移植・凍結といった一連の作業を行う。ドナーとなる雌牛の選定は、牧場の作業長が行う。凍結精液や受精卵は、要望に応じて販売しているが、種雄牛のレンタルは、事故などのトラブルを回避するため、行っていない。

 エステリン氏は、脂肪交雑の向上を中心に改良を進めたいと考えており、「北国7の8」、「安福」、「茂重谷」(注:現地での標記はローマ字だけのため、類似の日本の種雄牛の名号を充てている。なお、「茂重谷」は、豪州のワールド・ケーズ社の種雄牛として同社のホームページ(8)で紹介されている。)などの系統の種雄牛を主体として繁殖を行っている。同氏がこれまでに生産した枝肉のうち、最高のBMS Noは、7.3(4等級の最上位)であったと言い、8以上を目指しているということだ。
写真5 エステリン氏が保有牛の中で最も優れているとしている雄牛
 同牧場は、2014年5月に大規模なオークションを開催したが、オークションは2〜3年に1度開催できれば上々と考えており、肉用としての出荷は年間250頭ほどを目指したいとしている。繁殖用未経産牛は、以前のオークションでは7500米ドル(92万円)であったが、このオークションでは、1万1000米ドル(134万円)程度で落札されており、Wagyuへの関心の高まりを感じているという。

 なお、肥育については、年間75頭を20ヵ月齢まで同牧場で育成し、アイオワ州にあるWagyu肥育専門農場(AtoZ Feeders)で30ヵ月齢まで肥育して出荷している。食肉処理は、ネブラスカ州オマハにあると畜場で行っている。

 また、米国での牛肉消費はステーキが中心となるが、ステーキになり難い部位を有効活用して付加価値を上げるため、「Wagyuジャーキー」を開発した。

写真6 Wagyuジャーキー。1袋99グラム入りで卸売価格
14米ドル(1708円)。通常のビーフジャーキーよりも
風味が良いのが自慢。

 小規模生産者の中には、1、2頭のWagyuを他の品種の牛と混在させて飼養しているだけのものや、他の品種の牛群を主体に、少頭数のWagyuを飼養している場合もある。2の(2)で紹介したバージニア州の夫妻もこのような生産者であり、小規模生産者の場合には、Wagyuの血を導入することにより、自身の牛の付加価値を高めることが目的となっているものと推察され、USDAに肉質規格のないWagyu肉について、日本産和牛肉と競争しよう、という意図は感じられない。

 米国でも日本と同様、農業従事者の高齢化が進んでおり、牛・豚飼育といった肉体的にきつい作業(畜産)を避けて草地を畑に転換し、高度に自動化の進んでいるコンバイン作業(耕種農業)を指向する傾向がある。ワシントン州とアイダホ州にまたがる地域は、かつては牧畜地帯だったが、現在では、小麦などの作物畑がほとんどとなっている。近年、作物価格の上昇により、米国では農地価格が高騰しており、新規の農地取得が困難となっている。しかし、このような状況にあっても、新たに肉牛生産に参入する例もあり、このような場合には、傾斜地に強く、少頭数で高い収益性が期待できるWagyuを導入しようという動きがある。

Wagyu新規参入者の事例:リバーサイド牧場(ワシントン州コルファックス)

 牧場主のリチャード・グリフィス氏は、ワシントン州シアトル市で腕の良い大工だったが、2012年、現在の位置にあった牧場(263ヘクタール)が廃業した際に買い受け、家族で移り住んだ。購入価格は、100万米ドル(1億2200万円)を下らないと推定される。後出のリーブス元教授の牧場からWagyu純粋種を導入し、同元教授のアドバイスを受けつつ牛群を構築しているところだ。

 牛は、周年放牧されており、耳票と管理台帳はあるものの、調査時は秋の分娩時期で正確な子牛の頭数が把握されていなかった。このため、飼養頭数は、およそ100頭とされ、これを15〜18頭程度に分割して牧場内のパドックで飼養している。

 グリフィス氏は、「牛は牧草で自然に育つ」との信念の持ち主であり、穀物は全く給与していない。ただし、冬期間は草地の草が不足するため、購入した乾牧草とアルファルファの乾草を与えている。しかし、リーブス元教授からは、家畜栄養の観点とWagyuとしての付加価値を生かす観点から、鉱塩(粉状)と少量の穀物と油かすを給与すべきとのアドバイスがなされた。

 牛群構築中のため、牧場開始以来の出荷頭数は2頭にすぎないが、シアトル市近郊にも小規模ながらUSDAの認定を受けたと畜場があるので、わざわざ輸送費をかけて遠隔地まで牛を送る必要がなく、Wagyuの体型に合わせた処理ができるという。

写真7 「とにかくWagyuが大好き」というグリフィス氏

(6)飼料と飼料配合

 米国のWagyu生産では、さまざまな飼料配合が用いられている。日本で給与される稲わらは米国では給与されないが、大麦、トウモロコシ、青刈飼料やその他の飼料(例えば、アイダホ州南部でのジャガイモ)などが給与されている。このように地域により給与基準は異なるが、ある牧場の基準を示すと表1のとおりとなる。また、表1に「配合飼料」とあるのは、自家配合飼料であり、原料の配合を表2に示す。また、肥育仕上げ用飼料の原料構成の例を表3に示す。

表1 飼料給与基準の例(1頭1日当たりの現物給与量)
表2 育成用配合飼料の組成の例
表3 肥育仕上げ用飼料の組成の例

 Wagyuは、消費者の自然食志向を反映している側面もあって「ホルモンフリー」としての生産が大部分であり、増体を早めるためのホルモンチップの埋め込みは行われない。

 また、米国のWagyu生産者は、他の肥育牛よりも長い期間肥育し、他品種の牛が120〜180日間穀物を多給されるのに対し、250〜500日間肥育する。長期間肥育することにより、日本の和牛の一般的特徴である高い水準の脂肪交雑が得られるとしている。米国では、肉の量を増やすことを目的として交雑種が広く用いられていることから、米国産Wagyuの脂肪交雑の程度は和牛よりも劣っているが、それでも米国で最高品質とされるUSDAプライムを上回る肉質となっている。

 Wagyuの飼養管理で常に課題となるのは、生産開始の判断をしてから出荷までの時間が長いことだ。Wagyuは、30カ月齢まで肥育されるので、需給状況の判断ははるか以前に行わなければならず、これは現実には極めて困難と言わざるを得ない。したがって、Wagyu生産は国内の牛肉需給にほぼ無関係に生産されているとみられる。

(7)と畜場及び食肉処理場

 自社のと畜場、食肉処理場を有する大手以外のWagyu生産者にとって問題となるのは、USDAの認証を受け、Wagyuのと畜を適正に行えると畜場を見つけることだ。Wagyuは、他の欧米種の牛とは体型が異なる上、1頭当たりの単価が高いので、一般の肉牛と同じカットを行ったのではロスが大きくなるという特徴がある。大規模なと畜場・食肉処理場でテーラーメードの処理を行うためには、ある程度長期にわたり、相当の頭数が確保されていなければならず、職員に対する研修も必要とされるため、小規模なWagyu生産者はこのような施設を利用することができない。一方、小規模なと畜場では、施設が古いなどの理由で、USDAの認証を受けることができない場合がある。

 このような状況にはあるが、ネブラスカ州オマハ市のJ.F.O'Neill and Packing Co.が、Wagyuを処理できると畜場として関係者から名前が挙げられた。このと畜場・食肉処理場は、韓国やシンガポール(9)への牛肉輸出認定も受けている。Wagyu生産者によれば、同社へは極めて遠隔ではあっても、牛を出荷して処理を委託する価値があるということだ。

(8)繁殖と改良

 AWAは、米国のWagyu関係者にとって最も重要な課題とされる、米国Wagyuの遺伝的改良のためのプログラムを設け、生産者やWagyu業界のために、よりしっかりした証明と、マーケティングのためのインフラ整備を進めている。AWAは、Wagyu頭数の拡大とWagyu肉の一般への浸透の両面で、Wagyuの品種としての成長を管理することが非常に重要だと考えている。

 AWAは、豪州で開発された「ブリードプラン」という育種改良ソフトウエアの活用を推進しようとしている(10)。「ブリードプラン」とは、体重や繁殖力など生産で重要な特徴を個体ごとに記録し、各形質についての遺伝的メリットである推定育種価(EBV)を計算することで、その牛の遺伝的価値を判断するものだ。しかし、放牧主体の現状では、いくつかある測定項目のうち、子牛の生時体重を測定することは極めて困難であるほか、200日体重は生後80日〜300日、400日体重は生後301日〜500日、600日体重は生後501日〜900日に計測することとされているように、基本的な能力である日増体量の測定にも疑問を抱かざるを得ない。

写真8 アラモ市Wagyuオークション会場

 米国のWagyuも近代的育種手法に基づき、雄牛の系統に着目した選抜が行われているが、カイゼンWagyu牧場のスティーブン・ベラミー氏は、雌牛に着目した改良を行いたいと言う。但馬牛の歴史の中では、頭数の多くない環境の中で、雌牛を中心とした改良によりつる牛が成立してきた(11)ことを考えると、米国のように遺伝子プールが小さい環境での改良には、雌牛の役割も大きいのかもしれない。

 Wagyu純粋種は、頭数が少ないため、市場に出てくる場合でも、価格が高くなる。2014年5月17日にニューメキシコ州アルバカーキで開催されたローンマウンテン牧場のオークションでは、先に紹介したテキサス州でのオークションよりもさらに高い価格で落札されており、1頭当たりの平均落札価格は1万1529米ドル(141万円)となった。購入者は、カリフォルニア州、フロリダ州、テキサス州の他、スイスからも来ていた。

表4 2014年に行われたWagyuオークションの落札結果
資料:JDA(12),Texas Wagyu Association(13)
育種改良を行う生産者の事例:BR2 Wagyu Genetics LLC(ワシントン州)

 BR2 Wagyu Geneticsは、ワシントン州立大学のジェリー・リーブス元教授が、大学を退職後にワシントン州プルマン市に所有していた牧場を本拠として設立した。同元教授の和牛との関わり合いは、2の(1)で言及した日本への和牛買い付け調査団員となったことに始まり、その後長きにわたり、ワシントン州立大学で和牛の育種に関する研究を行ってきた。なお、同州立大学では、現在、予算が与えられていないため、Wagyuに関する研究は行われていないということだ。

 所有地は、自宅周辺に約28ヘクタールの採草地(オーチャードグラスと赤クローバの混播)と、約120キロメートル離れたスネークリバー川周辺の野草地約610ヘクタールであり、野草地は冬期間の放牧地として使用している。米国では、近年、農地が高騰しており、自宅近郊では農地が売りに出されることもほとんどないため、規模の拡大は困難だという。このため、同元教授は、ワシントン州とアイダホ州に3カ所、合計で約210ヘクタールの放牧地を借り受け、春から秋まで繁殖、育成を行っている。

 BR2 Wagyu Geneticsは、Wagyu純粋種の改良を目的としており、種雄牛の選抜を中心とした業務を行っている。2014年10月下旬現在の飼養頭数は、成雄牛が約80頭、雌牛が約200頭、秋に生まれた子牛が多数いたが、詳細な頭数は不明とのことだった。所有している成雄牛のうち70頭は、自然交配用の種雄牛として他のWagyu生産者に貸し出されており、貸出料は年間1千米ドル(12万2000円)程度、とのことだった。同社は、凍結精液と凍結受精卵も生産しており、外部に販売している。

 繁殖は、自然交配が中心であり、雌牛30頭に対して雄牛1頭を放牧し、分娩時期は自然条件の厳しい冬季と夏季を避け、春と秋に集中するよう計画している。

 米国では、Wagyuであっても放牧による群飼育のため、出生時体重などの生育に関するデータが入手できないか、あまりにも精度が悪いことから、改良がうまく進んでいない。特に、種雄牛の生産に必要な後代検定ができないことが悩みであり、自身の生産した雄子牛は、ネバダ州にあるスナイダー・ライブストック社の検定施設へ送り、精密な生育データを収集して評価を行っている。種雄牛の選抜には、余剰飼料摂取量(RFI)を採用している。RFIは、摂取した飼料から維持、成長に要するエネルギーを差し引いたものとして定義される遺伝形質であり、家畜の大小にかかわらず、増体効率を表すものだ。RFIの測定のためには、6ヵ月齢の牛の飼料摂取量と体重を70〜100日間毎日計測する必要がある。

写真9 リーブス元ワシントン州立大学教授と彼の所有する
Wagyu純粋種。アイダホ州内のリース放牧地にて。
写真10 BR2 Wagyu Genetics LLCの種雄牛カタログの表紙
写真11 リーブス元教授の選抜した「ベストブル」30T。
アイダホ州の草地でまき牛されているところ。

3 Wagyuの肉質評価

(1)格付基準と血統登録

ア 格付基準

 米国にはWagyu肉に特化した格付基準がなく、他の牛肉と同様にUSDAの格付基準によって格付けされる。Wagyu肉は脂肪交雑が高いという特徴から、USDAの格付けで最高のUSDAプライムに格付けされる割合が極めて高く、現在の評価基準では、Wagyu肉同士の差別化は極めて困難だ。

 米国の一部の生産者は、現在のUSDAの格付基準ではWagyu肉が正当に評価されていないとして、B.M.S.No.(注)を計測するためのカメラシステムを用い、日本のBMS基準を利用して、マーケティング、表示、ブランド化のための参考指標としている。カメラシステムは、既にカーギル社が2006年から一部の食肉処理場で導入しているが、このカメラシステムでは、サシの「きめ」までは判定しがたいとされており、先に紹介したローンマウンテン牧場のエステリン氏は、日本で開発されたカメラシステムを支持している。

注:B.M.S.(Beef Marbling Standard)No.
   牛肉の脂肪交雑の程度を示すもの。12段階に分かれ、数字が大きいほど、サシ(筋束や筋繊維間に蓄積された斑点状の脂肪組織)が
  細かくて大きいとされる。(農林水産省「家畜改良増殖目標」(14)より)

イ 血統登録(AWA)

 Wagyuの血統登録はAWAによって実施されている。AWAでは、登録牛のDNA検査を行い、Wagyuの血が流れているかどうかを確認している。ただし、AWAの会員であっても自らの牛を登録している者は多くないとみられ、2014年12月にテキサス州サンアントニオ市で開催されたAWAの年次会合に合わせて開催されたWagyuオークションにおいて、AWAの血統登録証を掲示していたのは、わずかに2頭だけだった。

写真12 Wagyuオークションで掲示されていた
AWAの血統登録証の例。

(2)認定プログラム

 USDAは、USDA認定牛肉プログラムを運営している。このプログラムは、生産者や業界関係者に対し、Wagyu肉として認定するためのプログラム(基準)の創設や、それぞれの基準を満たした牛肉へのブランドの使用を認めている。基準には、以下の項目を含む多くの項目が必要とされている。

・牛の表現型、遺伝子型およびその他の特徴
・USDAの品質グレード
・マーブリングスコアと肉質の特徴
・枝肉の熟度
・枝肉歩留り
・枝肉の大きさ
・リブアイと筋肉の特徴

 しかし、Wagyu肉は、USDAに認定されたプログラムを通じて販売しなければならないわけではなく、USDAの認定を受けずに独自のプログラムによるブランドを確立してきた企業もある。認定Wagyu肉プログラム、モルガン・デービス・インターナショナルWagyuプログラム、ローズウッドWagyuプログラムの3つがUSDA認定牛肉プログラムだ。これらの3つのプログラムでは、Wagyuの血を含むことを証明するためのDNA検査を課していない、という問題点がある。また、「KOBE BEEF」という表示を認定しているプログラムもある。

(3)Wagyuに対する消費者の認識

 米国のWagyu業界の課題として、Wagyuという名称の品格と価値を維持していくことが挙げられる。一部の関係者は、牛肉の品質にかかわらず、牛肉を販売する際にWagyu由来とするケースが多すぎることを心配している。このような行為により、Wagyuの名称が持つ価値が失われることから、より高い格付けの牛肉を生産するために、特別なコストをかけている生産者の利益が損なわれる。特に「KOBE BEEF」という名称は、日本から輸入された和牛でないことはもちろんのこと、牛肉に限らずソーセージなどにも単純に名前を付けることで高い価格で販売されるなど多用されているが、実際は高い値札に見合う価値がなく、結果として消費者のWagyu肉の購買意欲低下につながっている。

 これに加え、Wagyuに対する一般的な受け止め方についての課題がある。最近の米国でのWagyu肉に対するネガティブな見方は、雑誌フォーブスのラリー・オルムステッド記者が2012年に執筆した、実際には日本産でない「KOBE BEEF」の価格とメニューへの記載方法との間の違いに着目した一連の記事に根差すものだ(15)、(16)、(17)、(18)。これらの記事により消費者は、Wagyu肉の販売者の言い分を大きく疑うようになり、米国産Wagyuのいかなる主張にもマイナスの烙印を押すこととなった。この結果、消費者のネガティブな反応に対処するため、一部のレストランでは牛肉料理の名称やメニューを変更するという動きがあった。

 「KOBE BEEF」の名称が米国内で広く定着したのは、在日米軍基地の勤務を終えて帰国した軍人などが、日本在住中の和牛肉の味を忘れられず、高級牛肉に手っ取り早くKOBEの名称をつけたものが定着したものだとされる。2012年の雑誌フォーブスの記事で、「KOBE BEEF」の表示が「食品の大スキャンダル」とされたにもかかわらず、現在でもこの名称使用に認証を与えている会社が存在し、テキサス州のWagyu純粋種の牧場にもこの名称を冠したものがあることには、驚きを禁じ得ない。

 AWAは、生産者、消費者の両方を教育していく必要性を強調しており、フォーブス誌にも「Wagyu」の表示を行うことは正しいとのコメントを寄せているが、一連の記事の最後の記事で、米国におけるWagyuの定義の弱点が指摘されている。これは、要すれば、パーセンテージWagyuのように、「少しでも」和牛の血が入っていれば一律に「Wagyu」の表示を行い、他の米国産の牛肉よりもはるかに高い価格を付けることが正しいのか、という指摘だ。米国のWagyuは、米国のWagyu肉生産の半分程度を占めると推定される最大手のアグリ・フーズ社が、アンガス種との交雑種のみを生産しているように、交雑種が主体の市場だ。

 これらの記事が大筋では間違っていないことは、AWAのビーティ事務局長も認めている。しかし、記事では、「Wagyu」という表示についても「KOBE BEEF」と横並びで否定的に取り扱われており、わが国の和牛統一ロゴマークに使われている「WAGYU」の名称が、米国産と同様にネガティブな受け止め方をされぬよう、マーケティング戦略を組み立てていく必要がある。

 一方で、消費者の「Wagyu」に対する認識は高まっていることから、これを今後の日本産牛肉の輸出拡大に活用していくことが重要だろう。

4 まとめ

 米国のWagyuは、1993年の日本の牛肉輸入自由化を受け、広大な土地資源を背景に低コストでWagyu肉を生産し、それを日本へ輸出するというビジネスモデルで開始された。しかし、実際に輸出してみると、日本市場では国産牛肉並みの価格がつかず、輸送費を回収するには不十分な水準であったため、このビジネスモデルは成り立たなくなったとされている。

 米国のWagyu生産は、極めて限られた遺伝子プールによる閉鎖系での発展を余儀なくされたが、和牛の遺伝子が持つ肉質改善効果は、米国内でも一定の支持を受け、米国内でWagyuの名称が定着しつつある。

 2014年10月末に開催されたAWAの年次会議の際、高級ホテルグループであるローズウッド社のエグゼクティブ・シェフを務めるマーク・リチャードソン氏は、筆者に、同社傘下のWagyu部門と全米に展開するレストランチェーンであるアップル・ビーとの間で、Wagyu交雑種ミートボールの非常に大きな契約がまとまった、との話をもらした。このレストランでWagyuの名を冠したメニューの提供が始まれば、「Wagyu」という名称の認知度はさらに向上するだろう。

 冒頭でも述べたように、現在、日本は和牛肉の輸出促進を図っているが、マーケティングの観点からみると、全く素地のない市場に売り込むことは極めて困難であり、現在、類似の他の産品が占めているシェアを置き換えることの方が近道だとされている。今回の報告では、米国において、米国内での高付加価値化を目指したWagyuと称する牛肉が生産され、一定のマーケットシェアを有することが改めて確認できた。

 今後、米国への日本産牛肉の輸出にあたっては、米国産Wagyuのマーケットシェアをターゲットとして、輸出拡大に取り組むことが重要であると考えられる。

謝辞

 今回、AWAのマイケル・ビーティ事務局長、ワシントン州立大学ジェリー・リーブス元教授、ローンマウンテン牧場ロバート・エステリン氏をはじめ、多くの方々に快く調査に応じていただき、紙面をお借りして深く感謝の意を表します。

参考文献

(1)農林水産省(2013)、“和食がユネスコ世界文化遺産に登録されました!”、http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/index.html

(2)消費者庁(2007)、“「食肉の表示に関する公正競争規約」の一部変更の認定等について”、http://www.cca.go.jp/representation/keihyo/kouhyou/05.2/050228.html

(3)食肉の表示に関する検討会(2009)、“和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン”

(4)東京新聞(2014)、“和牛を脅かす「Wagyu」”、http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/dining_in_future/list/CK2014010302000

(5)David Blackmore、“The Wagyu Story in Australia”、http://www.Blackmorewagyu.com/the-wagyu-story-in-australia/

(6)USDA/NASS(2014)、“2012 Census of Agriculture”、http://www.Agcensus.usda.gov/Publications/2012/Online_Resources/Ag_Atlas_Maps/Livestock_and_Animals/Livestock_Poultry_and_Other_Animals/12-M133-RGBDot1-largetext.pdf

(7)USDA/NASS(2014)、“Cattle”、http://usda.Mannlib.cornell.edu/MannUsda/viewDocumentInfo.do?documentID=1017

(8)World Ks、「茂重谷」、http://www.World-ks.com/sale/ushi-4.html

(9)USDA/AMS(2014)、“Official Listing of Eligible Suppliers to the USDA Bovine EV Programs”、http://www.ams.usda.gov/AMSv1.0/getfile?dDocName=STELPRD3105269

(10)American Wagyu Association、“A Basic Guide to BREEDPLAN EBVs”、 http://wagyu.org/members/breedplan-epds/

(11)兵庫県畜産会編(1979)、「但馬牛物語」、pp119〜143

(12)JDA(2014)、“The Wagyu Breed‘s First Million Dollar Sale”、http://jdonlinee.com/pdf/sales/2014/Lone%20Mountain%20Ranch%20Results.pdf

(13)Texas Wagyu Association(2014)、“2014 Alamo City Invitational Sale Results”、http://www.Texaswagyuassociation.org/new-releases/2014alamocityinvitationalsaleresults

(14)農林水産省(2010)、「家畜改良増殖目標」、p10

(15)Larry Olmsted(2012)、“Food’s Biggest Scam: The Great Kobe Beef Lie”、http://www.forbes.com/sites/larryolmsted/2012/04/12/foods-biggest-scam-the-great-kobe-beef-lie/

(16)Larry Olmsted(2012)、“Food’s Biggest Scam, Part 2: ”Domestic” Kobe And Wagyu Beef”、http://www.forbes.com/sites/larryolmsted/2012/04/13/foods-biggest-scam-part-2-dpmestic-kobe-and-wagyu-beef/

(17)Larry Olmsted(2012)、“Kobe Beef Scam, Part 3: Why The U.S. Government Wants You To Buy Fake Foods”、http://www.forbes.com/sites/larryolmsted/2012/04/14/kobe-beef-scam-part-3-why-the-u-s-government-wants-you-to-buy-fake-foods/

(18)Larry Olmsted(2012)、“Kobe And Wagyu Beef: Final Thoughts And Clarifications”、http://www.forbes.com/sites/larryolmsted/2012/04/19/kobe-and-wagyu-beef-final-thoughts-and-clarifications/


 
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