需給動向 海外 |
2016/17年度のトウモロコシ生産量は前年度比4.4%増 |
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が5月10日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界のトウモロコシ生産量は9億6886万トン(前年度比4.4%減)と、前月予測からわずかに下方修正された。この要因として、ブラジルの生産量が乾燥気候の影響を受けて前月予測から300万トン(3.6%)下方修正されたことが挙げられる。一方、本年初の公表となる2016/17年度の生産量については、中国が減少する一方、その他の主要国で軒並み増加するとの予測から、前年度比4.4%増の10億1107万トンと見込まれている(表6)。
輸出量については、2015/16年度は、価格競争力の高まった米国産の上方修正などから、1億3389万トン(同4.6%増)と前月予測からわずかに上方修正された。一方、2016/17年度は、ブラジルの輸出量が同国内の需要拡大で減少するとの予測から、同0.1%減の1億3378万トンと見込まれている。
輸入量については、2015/16年度は、ベトナムやブラジルの需要拡大などから、1億3389万トン(同4.6%増)と前月予測からわずかに上方修正された。一方、2016/17年度は、中国の備蓄政策の変更に伴って、同国の輸入量が減少するとの予測などから、同0.1%減の1億3378万トンと見込まれている。
消費量については、2015/16年度は、同1.2%減の9億6886万トンと前月予測からわずかに下方修正された。一方、2016/17年度は、世界的な需要の増加により、同4.4%増の10億1190万トンと記録的水準に達すると見込まれている。
この結果、期末在庫については、2015/16年度は、前年度の水準とほぼ同じ2億787万トンと前月予測からわずかに下方修正された。また、2016/17年度についても、前年度の水準とほぼ同じ2億704万トン(同0.4%減)と見込まれている。
2016/17年度は、大豆生産量も前年度をわずかに上回る見込み
USDA/FASが5月10日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界の大豆生産量は、アルゼンチンでの降雨による生産量減少などにより、3億1586万トン(前年度比1.2%減)と前月予測からわずかに下方修正された。一方、2016/17年度については、米国を除く多くの主要生産国で収穫面積が増加することから、前年度比2.6%増の3億2420万トンと見込まれている(表7)。
輸出入量については、世界的な需要の増加を反映して増加傾向で推移しており、2015/16年度は、輸出量が1億3258万トン(同5.1%増)、輸入量は1億3108万トン(同6.2%増)と、いずれも前月予測から上方修正された。また、2016/17年度は、輸出量が1億3831万トン(同4.3%増)、輸入量は1億3602万トン(同3.8%増)と見込まれている。
消費量については、2015/16年度は、2億7941万トン(同6.1%増)と前月予測からわずかに上方修正された。2016/17年度は、タンパク質飼料需要の増加を背景に、同3.2%増の2億8839万トンと見込まれている。
この結果、期末在庫については、2015/16年度は、7425万トン(同4.9%減)と前月予測から下方修正された。また、2016/17年度は、米国、中国およびアルゼンチンの在庫がかなり減少すると予測されることから、同8.1%減の6821万トンと見込まれている。
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