トウモロコシ生産量は前年度比7.1%減もなお高水準
米国農務省世界農業観測ボード（USDA/WAOB）は5月10日、2017/18年度（9月〜翌8月）の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
生産量は、単収および収穫面積ともに記録的な水準となった前年度を下回ることから、140億6500万ブッシェル（3億5725万トン（注））と前年度を7.1%下回ると見込まれるものの、過去3番目に高い水準である（表11）。
消費量は、飼料等向けは、トウモロコシの代替となるエタノール蒸留かすの利用増加などにより、前年度比1.4%減と見込まれている。一方、エタノール向けは、ガソリン消費量の増加に伴うエタノール需要の増加やソルガムのエタノール向け利用の減少により、同0.9%増と見込まれている。このため、消費量全体としては前年度並みの124億2500万ブッシェル（3億1560万トン）と見込まれている。
輸出量は、生産量の減少、ブラジル産やアルゼンチン産との競合により、同15.7%減の18億7500万ブッシェル（4763万トン）と見込まれている。
これらの結果、期末在庫は、同8.1%減の21億1000万ブッシェル（5359万トン）と見込まれている。
また、生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.00〜3.80米ドル（1キログラム当たり13.2〜16.8円：1米ドル＝112円）と見込まれている。
（注） 1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。
（調査情報部 渡邊 陽介）