需給動向 海外

◆豪州◆

生乳生産は引き続き堅調も、輸出量は減少


生乳生産量、前年を上回って推移

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2015年4月の生乳生産量は64万930キロリットル(66万160トン相当、前年同月比2.9%増)となり、4カ月連続で前年同月を上回った(図27)。

図27 生乳生産量の推移
資料:DA
  注:年度は7月~翌6月。

 生乳生産は、主要な生産地域であるビクトリア州やタスマニア州で増加しており、それぞれ前年同月比3.1%増、同10.4%増となった。DAは、この理由について、飼料穀物価格が落ち着きを取り戻したことや、4月の降雨量が平年を上回ったことを挙げている。

 しかし、豪州気象局は5月末、エルニーニョ現象の兆候が強まっていると公表している。エルニーニョ現象が発生すると、冬から春にかけて高温少雨気候となる可能性が高まり、放牧環境に影響が生じるため、今後の見通しについては予断を許さない状況にある。

乳製品輸出量、脱脂粉乳とチーズは増加傾向

 DAが公表した2015年3月の主な乳製品の輸出量は、

・脱脂粉乳 1万8518トン(前年同月比37.2%増) 

・全粉乳     5798トン(同15.2%減)

・バター      3082トン(同 8.1%減)

・チーズ    1万4609トン(同 5.4%増)

となった(図28)。「Global Trade Atlas」によると、脱脂粉乳は、中国向け(2500トン、前年同月比77.3%増)やインドネシア向け(2700トン、同14.5%増)を中心に、チーズは日本向け(8300トン、同20.5%増)を中心に、ともに増加している。一方、全粉乳は中国向け(200トン、同81.7%減)需要減により、バターはロシアの禁輸措置により、いずれも減少傾向が続いている。

 なお、2014/15年度累計(7月~翌3月)でも、前年同期と比べ、脱脂粉乳とチーズは増加、全粉乳とバターは減少となっており、中でも全粉乳は前年同期比33%減と大幅に減少している。

図28 乳製品輸出量の推移
資料:DA

MG社が新年度の乳価を発表、前年度並みを維持 

 豪州最大手の酪農協系乳業メーカーであるマレーゴールバン(MG)社は、7月から始まる2015/16年度(新年度)の生産者乳価の支払見込みについて、乳固形分1キログラム当たり6.05豪ドル(587円:1豪ドル=97円)とすると発表した。2014/15年度(今年度)の乳価見込み(2015年5月末日時点)の6.00豪ドル(582円)を0.05豪ドル(5円)上回っており、世界的に乳製品の市場動向が不安定であるにもかかわらず、前年度に続き高い乳価見込みとなった。

 これについて同社は、乳製品製造コストの削減や効率性の向上に加え、成長市場である高付加価値乳製品の生産を強化したことによって、今年度の収益増が見込めることが背景にあるとしており、新年度は、生産者への配当金(傘下の生産者に対し、乳価とは別に配当される利益分配金)もこれまで以上に増やすことができるので、生産者はより大きな見返りを得られるだろう、としている。

(調査情報部 竹谷 亮佑)

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