豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○フィードロット飼養頭数が減少



 豪州フィードロット協会 (ALFA) と豪州食肉畜産公社 (AMLC) は、 5百頭以上の

フィードロットを対象に、 共同で3カ月ごとに飼養動向調査を行っている。 95年9

月末の調査結果によると、 フィードロットの牛飼養頭数は、 穀物不足や日本市場に

おける価格低迷などを背景に、 前回6月の調査より12.5%減少の367,750頭となった。 

ALFAでは、 この減少傾向は今後も続くとみており、 次回12月末の調査では、 さらに

11.7%減少して324,660頭になると見込まれている。 



輸出価格の低迷、 コスト高が打撃に

 頭数減少の原因の中で最も深刻な問題は、 日本市場の需要低下により、 輸出価格 が低迷していることである。 日本市場における米国との競争は、 米国側の輸出圧力 の増加によってますます激化しており、 その結果、 輸出価格は9月までの半年間に わたって下がり続けた。 また、 フィードロット飼養頭数全体の約5割を占めるクィ ーンズランド州では、 干ばつによる穀物の供給不足で飼料穀物価格が高騰して、 生 産コストが上昇したことに加え、 豪ドル高で牛肉生産の採算性が悪化した。 さらに、 10月末頃からは相次いで主要パッカーが工場を閉鎖したため、 フィードロットの肥 育牛に対する需要が減少した。 こうしたことが、 フィードロットの経営を圧迫して おり、 飼養頭数の減少に結び付いている (なお、 主要パッカーの工場は約1カ月間 閉鎖されたのち、 再開されている)。

ウェスタンオーストラリア州で最大の減少

 州別にみて最も減少したのは、 ウェスタンオーストラリア州で、 2万8千頭の減 少 (対6月比77. 3%減) となり、 飼養頭数全体の減少に大きく影響した。 ただし、 同州のフィードロットは、 牧草の生育が悪化する時期に緊急非難的に稼働するとい う季節的な特徴を有しているため、 このような飼養頭数の大きな変動は、 過去にお いてもしばしば見られている。 州別のフィードロット飼養頭数     (単位:頭)  ─────────────────────────────────────── 区  分 94年9月 94年12月 95年3月 95年6月 95年9月 95年12月  ─────────────────────────────────────── クィーンズランド 202,049 182,216 166,224 207,885 193,487 147,064 ニューサウスウェールズ 147,412 144,497 121,595 134,224 130,319 140,285 ビクトリア 43,647 46,133 47,158 42,605 35,850 37,311 ウェスタンオーストラリア 2,000 5,000 45,000 35,612 8,094 0 その他 8,005 6,801 6,801 - - -  ─────────────────────────────────────── 合 計 403,113 384,647 386,778 420,326 367,750 324,660  ───────────────────────────────────────  資料:AMLC/ALFA 「National Feedlot Survey」
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