米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○好調なブロイラー価格



95年下半期以降、 前年を上回る動き

 ブロイラーの丸どり卸売価格 (中抜き、 12都市平均) は、 94年8月以降ほぼ1年 にわたって前年を下回って推移した後、 95年7月からは前年を上回る動きに転じて いる。 特に、 11月は前年同月比20.8%高と大幅な伸びを記録した。  米国内向け消費の多いむね肉の卸売価格 (ボンレス、 北東部) についても同様に、 前年以下の水準で推移した後、 95年8月からは、 前年を上回る動きとなっている。  これらの品目とは対照的に、 主要輸出品目であるもも肉の卸売価格 (ホール、 北 東部) は、 好調な輸出需要を背景として、 ほぼ一貫して前年を上回る動きを示して きたが、 95年5月から7月の間は、 前年水準割れとなっていた。 しかし、 8月以降 は、 他の部位と同様に前年を上回る水準まで回復している。  このように、 95年下半期に入って、 価格が堅調となっている要因としては、 輸出 などの需要が堅調な一方で、 生産の伸び率が低くなっていることが挙げられる。 95 年上半期は前年同期比6.9%増と、 ほぼ前年並みの伸び率を示したが、 下半期 (11 月までの累計) については、 1.7%の伸び率にとどまっている。

収益性の向上が今後の生産拡大に拍車

 こうした価格の上昇に伴い、 95年後半におけるブロイラー生産の収益性は、 かな り向上している。 加工処理業者の純利益は、 95年前半の平均が4.8セント/ポンド であったのに対し、 後半の平均 (11月まで) は、 その2倍強の10.9セントとなって いる。  この結果、 ブロイラー生産業者の増羽意欲が旺盛となってきており、 例えば、 10 月のふ卵個数は、 前年同月比7. 3%の増加となっている。 米国農務省は、 こうした 状況から、 95年第4四半期の生産量を前年同期比5. 3%増、 96年第1四半期は同 5.7%増と予測している。  なお、 最近の飼料価格の値上がりについては、 ブロイラー価格が堅調であること に加えて、 ブロイラー産業では一般に、 垂直統合がかなり進んでおり、 生産規模が 大きく、 効率的な経営が行われていることから、 現時点ではあまり影響を及ぼして いないものとみられている。
元のページに戻る