豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○95/96年度の生乳生産は、 前年を上回る水準でスタート



 95/96年度は7月からスタートしたが、 7、 8月の2カ月間の生乳生産量は、

前年同期を1. 2%上回る10億9千7百万リットルとなった (図1)。 豪州酪農庁 

(ADC) は、 生産増の基調は確実ながら、 伸び率があまり高くなかった理由は、 最

大の生産州であるビクトリア州で、 降雨量が非常に多かったためとみている。 

9月以降はさらに増産が見込まれる

 しかしながら、 9月以降はビクトリア州の天候が回復しているため、 生産も順 調に伸びているもようである。 公式な数値はこれまでのところ発表されていない ものの、 ADCによると、 9月の加工向けの生乳生産量は、 前年同月比で約3%増 加している。 また、 95/96年度は、 前年度のように干ばつによる飼料用穀物の不 足は生じることなく充分に飼料を給与できるとみられている。 こうしたことから、 ADCは、 95/96年度の生乳生産量を、 前年度比3. 6%増加の85億リットルと予測 しており、 さらに、 10月中旬には、 この予測は控えめなものであるとのコメント を加えた。

乳製品生産量はほぼ前年並み

 7、 8月の2カ月間のバター及びバターオイルの生産量は、 前年同期を19%上 回る1万4千トンとなったが、 前年同月の生産水準が低かった (対前年比11.7% 減) ことを考慮すると、 この生産水準は通常の水準といえる。 その他の乳製品で は、 脱脂粉乳、 全粉乳、 チーズともに、 ほぼ前年同期並みの生産となった (図2〜図4)。

乳製品の期首在庫はいずれも大幅減

 一方、 95/96年度の乳製品期首在庫量は、 前年度に輸出が好調であったことか ら、 全ての製品で前年を大幅に下回った。 品目別には、 バター及びバターオイル は、 前年同期比27. 4%減の15,400トン、 脱脂粉乳及びバターミルクパウダーは 同48.8%減の17,700トン、 チーズは同27.6%減の73,700トン、 全粉乳は同21.2% 減の14,100トンであった。 乳製品の期首在庫量(千トン) ─────────────────────────   項   目 94年7月 95年7月 ───────────────────────── バター及びバターオイル 21.2 15.4 脱脂粉乳及びバターミルクパウダー 34.6 17.7 チーズ 101.8 73.7 全粉乳 17.9 14.1 ───────────────────────── 資料:ADC「Update」
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