ウルグアイを口蹄疫清浄国に認定 (米国)



牛肉の対米輸出が可能に

 米国農務省・動植物衛生検疫局 (APHIS) は、 11月1日付け官報でウルグアイを 口蹄疫清浄国と認定する規則を公示した。 これに伴い、 ウルグアイ産の生鮮、 冷蔵、 冷凍牛肉 (正確には反芻家畜の食肉) の対米輸出が可能となった。  ウルグアイでは、 89年以降口蹄疫の発生はなく、 94年6月からはワクチンの接種 も行われていない。 一方、 APHISは、 ウルグアイ政府からの要請に基づき現地調査 を実施するなどして同国の衛生状況等を審査し、 95年8月4日付け官報で、 清浄国 認定に関する規則改訂提案を行っていた。  なお、 APHISは、 各地の検疫官などへの周知に2週間ほどの日時を要するとして、 同規則の施行日を11月16日に設定した。

特別な衛生条件等は付与せず

 APHISによれば、 規則改正提案時に設けられたコメント聴取期間に、 全部で7件 の意見提出があり、 これらのすべてが清浄国としての認定を支持するものであった。 その中には、 ウルグアイ政府に対して清浄国認定後も強固な防疫体制の維持を求め るものや、 牛肉輸出は除骨したものに限るなどの条件を設けるべきとするものもみ られたが、 これらに対してAPHISは、 特別の衛生・検疫条件を付す考えのないこと を表明している。

関心の低い米国食肉業界

 今回の認定については、 提案に対するコメントの数からもわかるとおり、 米国の 食肉業界ではあまり大きな関心事項となっていない。 ウルグアイの牛肉生産量が、 あまり大きくないことから、 米国市場への影響は少ないと考えられるためである。 ちなみに同国の94年の牛枝肉生産量は、 約37万トンであった。

今後の焦点はアルゼンチンに

 今のところ、 南米諸国で、 ウルグアイの次に口蹄疫清浄に関する認定を受けるの は、 アルゼンチンであると考えられている。 それが実現した場合には、 その輸出余 力の大きさから、 米国のみならず、 世界の牛肉貿易にも大きな影響を及ぼすとみら れている。 94年のアルゼンチンの牛枝肉生産量は260万トンで、 世界でも有数の生 産規模を有している。  なお、 米国は、 先のガット・ウルグアイラウンドにおいて、 ウルグアイとアルゼ ンチンに対して、 口蹄疫清浄に関する条件が整った場合には、 それぞれに年間2万 トンの低率関税割当枠を設定することを約束している。
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