生乳の先物取引がスタート (米国)



CSCEが95年12月から開始

 商品先物取引委員会は、 95年10月、 コーヒー・砂糖・ココア取引所 (CSCE;ニュ ーヨーク) の要請に基づき、 生乳の先物取引及びオプション取引 (一定価格で売買 する権利の取引) の実施を承認した。  これにより、 CSCEは、 先物については95年12月12日から、 またオプションについ ては翌13日から、 実際の取引を開始することになった。

価格変動リスクの拡大を想定

 これまで、 生乳価格は、 穀物価格などと比べると変動幅が小さく、 先物取引の対 象にはなりにくいと考えられてきた。 にもかかわらず、 今回、 CSCEが生乳先物市場 の承認を申請したのは、 将来的には生乳の価格変動幅が拡大し、 酪農関係者にとっ て先物取引などによるリスクヘッジ (価格変動リスクの保険つなぎ) の重要性が増 すと予想したためである。  CSCEのこの動きの背景には、 95年農業法関連の酪農政策において、 価格支持制度 の廃止を含めた抜本的な改革を求める動きが強まっていることなどがあるとみられ る。

酪農関係者を対象にセミナーを開催

 生乳の上場にあたって、 CSCEは、 12月から1月にかけての6回にわたり、 ニュー ヨーク州をはじめ全国各地で無料セミナーを開催する。 セミナーでは、 全米生乳生 産者連盟 (NMPF) などの協力を得て、 先物取引及びオプション取引について、 基本 的な知識のほか、 期待されるメリットや、 それを経営に生かす方法などについて、 具体的な説明が行われる。  なお、 商品先物取引委員会は、 CSCEに続きシカゴ商業取引所 (CME) に対しても、 生乳とバターの先物取引及びオプション取引の開始を認めた。 CMEは、 生乳の取引 開始を96年1月11日に予定している (バターについては未定)。
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