95年のと畜頭数は前年比4%増
と畜頭数は、 92年以降、 飼養頭数の増加を背景に、 前年を上回って推移してい
るが、 95年についても前年を4%上回り、 3,544万頭 (枝肉重量で1,134万トン)
となった (暫定値)。 種類別と畜頭数では、 乳製品市況が堅調であることから、
乳用経産牛が減少したほかは、 軒並み増加となった。 半分以上のシェアを占める
去勢牛は、 前年比1%増とわずかな伸びにとどまったものの、 未経産牛と肉用経
産牛は、 それぞれ9%、 8%と、 かなり増加した。
早期出荷でチョイス級が減少
95年夏以降の飼料価格の高騰により、 フィードロットは、 体重の重い素牛を導
入する傾向を強めているが、 肥育期間が短縮されているため、 結果として、 チョ
イス級に格付けされる牛肉の供給が減少しているとみられている。 チョイス級の
牛肉については、 特に、 レストランや輸出向けに底堅い需要があるため、 需給は、
ひっ迫しつつある。
こうした状況を反映して、 全般的に牛肉価格が低迷する中、 チョイス級の卸売
価格は、 比較的堅調に推移している。 この結果、 チョイス級の下位に位置するセ
レクト級牛肉との価格差が、 特に10月以降、 10ドル/100ポンド (米国中央部)を
超えるなど、 顕著になっている。
96年も増加が継続
米国農務省は、 昨年末、 96年の牛肉生産量について、 前年比3%増の1,173万
トンと予測した。 95年に雌牛のと畜が増加したものの、 牛群の減少に結びつくほ
どの水準には達していないと同省は、 分析している。
また、 市況については、 96年も輸出の好調さが継続すると見込まれているもの
の、 一方で、 供給増による価格引き下げの影響が大きいとみられることから、 肥
育牛価格の回復は期待薄とみられている。
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