豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○脱脂粉乳の輸出動向



● 数量は減少、 金額は増加


 95/96年度の脱脂粉乳輸出量は、 96年3月を除いて前年の水準を下回って推移 しており (図1)、 96年3月までの9カ月間の累計では、 前年同期比22. 7%減の 約10万7千トンとなった。  輸出量が前年同期を大きく下回ったのは、 前年度の輸出が、 好調な国際市況を 反映して高水準で推移したことや、 その影響で、 本年度当初の在庫水準が低下し ていたためである。  また、 95年夏から年末にかけては、 国際価格が急騰したため、 主要輸出市場で あるアジアからの需要が、 タイを除き減退気味となったことも影響した。  さらに、 EU、 ニュージーランドという従来の輸出競争相手国に加え、 95年以降 アジア向けの補助金付き脱脂粉乳輸出を積極的に展開し始めた米国との間でも、 輸出競争が激化しているものと考えられる。  このほか、 前年同期には1万5千トン近くを輸出し、 4番目の相手国であった メキシコ向けが、 同国での通貨危機後の経済停滞の影響などで、 今期はゼロとな っていることの影響も大きいとみられる。  一方、 輸出金額ベースでは、 国際市場での記録的な高値を反映して、 9カ月間 の累計は、 前年同期を4. 1%上回る約3億1千万豪ドル (FOB価格、 約240億円) となった。

● 上位5カ国のシェアは85%


 9カ月間の輸出動向を国別にみると、 主要輸出相手国は、 フィリピン、 マレー シア、 タイ、 日本、 シンガポールとなっており、 この5カ国で、 輸出量及び金額 全体の85%を占めている (図2)。  上位5カ国のうち、 前年同期を上回ったのは、 タイおよび日本向けで、 数量で はそれぞれ14%、 6%の増加、 金額では、 60%、 14%の増加となった。  フィリピン、 マレーシア、 シンガポール向けの数量は、 いずれも前年同期を下 回った (それぞれ7%、 31%、 32%の減少)。 一方、 金額では、 マレーシア、 シ ンガポール向けがそれぞれ3%、 12%の減少となったが、 フィリピン向けは28% の増加を記録した。
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