米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○ブロイラーの輸出動向


● 96年上半期、 引き続き好調


 ブロイラーの輸出は、 85年以降一貫して前年を上回って推移しており、 90年代 に入り、 特にその伸び率は著しくなっている。 96年に入ってからも輸出はさらに 拡大し続けており、 6月のブロイラー輸出量 (可食処理ベース、 骨付き、 以下同 じ) は、 前年同期比13.6%増加の14万トンであった。 この結果、 96年上半期の総 計では、 前年同期を23.3%上回る96万7千トンとなった。

● ロシア、 香港向けが大半を占める


 輸出相手国別に見ると、 ロシアと香港向けが大半を占め、 96年上半期では、 そ れぞれれ全体の輸出量に占めるシェアは、 40.1%、 23.1%となっている。  ロシアは、 今年3月下旬から4月上旬にかけて、 衛生基準に関する問題で米国 産家きん肉に対し輸入禁止措置を取ったため、 96年3月のロシア向けブロイラー 輸出量は、 前年同月に比べて40.5%と大幅に減少した。 しかし、 その後、 この問 題が解決したことから再び増加に転じ、 96年上半期の輸出量は、 前年同期を35.6 %上回る結果となった。 なお、 最近では、 ロシア国内で流通しているブロイラー の半分が輸入物で、 そのうちおよそ4分の3が米国産であると言われている。

● 中国向けも急増


 ロシアに次ぐ輸出先は香港であるが、 96年1月から2月にかけて、 中国政府が、 香港から中国に向けたブロイラーの再輸出に係る不適正取引の取締りを強化した ことなどにより、 96年第1四半期の香港向け輸出量は、 前年同期に比べて6.5% 減少した。 ただし、 その後、 輸出量は回復し、 第2四半期では前年同期比31.1% 増の大きな伸びを示し、 上半期の合計では、 前年同期に比べて17.1%の増加とな った。  また、 今年に入り中国への輸出が増加しており、 96年1月から5月までの輸出 量は約3万3千トンとなり、 前年同期を98.5%上回るという非常に大きな増加を 示している。

● 輸出量の予測を上方修正


 米農務省は、 今後も、 二大輸出マーケットであるロシア、 香港向けを中心に、 好調な輸出が続くと予想している。 また、 米国内のブロイラー生産が拡大傾向に あることや、 今後は、 さらに中国が有望な輸出市場になると見込まれることなど から、 前回の予測を上方修正し、 96年のブロイラー輸出量は、 前年に比べておよ そ20%増加の約211万4千トンに、 97年は、 約230万2千トンになると見込んでい る。
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