中央農村工作会議を開催 (中国)



農業最優先と 「気」 の引き締めを強調


 中央農村工作会議が、 1月10日から13日までの4日間にわたって北京で開催さ れた。 この工作会議は、 中央政府の農業政策を地方政府に徹底し、 農村経済の発 展に資することを主眼において、 毎年、 3月の全国人民代表大会 (国会に相当) の前に、 全国の省・市政府の代表者を集めて開催されるものである。  今回の会議には、 江沢民国家主席をはじめとして、 季鵬首相、 朱鎔基副首相 (経済・金融担当) 、 姜春雲副首相 (農業担当) が出席し、 それぞれ、 地方政府 に対して、 昨年に続いて農業を最優先課題と位置づけ、 食糧生産の安定成長を維 持するよう訴えた。  中国は、 昨年、 大規模な洪水などに見舞われたにもかかわらず、 糧食 (飼料穀 物や一部のイモ、 マメ類を含む) 生産量は4億8千万トンと、 一昨年前に引き続 き史上最高を記録した。 しかしながら、 江主席は、 農業の現状を楽観視すること なく、 農業発展における地方政府のリーダーシップをさらに強化するよう強く要 請した。 これは、 豊作の安堵感から、 その翌年には減産になるのではとの懸念を 払拭し、 安定成長を目指す意図があるためとみられる。

●農業は経済の健全成長の鍵


 また、 江主席は、 ここ2、 3年の豊作と農村経済の全般的な発展により、 食糧 供給が順調に行われた結果、 インフレが沈静化し、 またマクロ経済が改善したこ とで、 国政全般が健全な成長をみせたとして、 食糧生産を基盤とする農村経済の 重要性を強調した。  今年の会議では、 農村経済の改善に向け、 1. 農業を最優先し、 引き続き農業生産に力を入れる 2. 食糧買い付けを確実に行い、 農産物の流通改善に努める 3. 農業技術の導入をより迅速に進め、 同時にその普及に努める 4. 農村の産業構造を調整し、 増産・増収を実現する 5. 農地と水利施設の整備を促進し、 防災および災害対策能力を高める などの、 8つの分野に重点を置く方針が確認された。

●97年の食糧生産目標を設定


 また、 同会議では、 昨年12月に江西省で開催された農業工作会議で打ち出され た目標を再確認する形で、 97年の農業および農村経済の目標が定められた。 この 中で、 食糧および畜産物関連では、 1. 食糧の播種面積を1.1億ヘクタール以上に維持し、 総生産量を少なくとも昨 年と同水準の4億8千万トンに維持する 2. 食肉生産量を96年の5千8百万トン (前年比10%増) から、6千2百万トン (同7%増) に増加させる などとなっている。  また、 農村の所得対策としては、 1. 農民1人当たりの純収入の5%増を図る 2. 貧困地域の経済と発展のための施策を促進し、 貧困層の最低生活水準を保   障するなどが掲げられている。
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