96年の総生産量は前年比5%の増加
米農務省 (USDA) によると、 96年のブロイラー総生産量は、 1,192万ト
ンと、 前年に比べて5.0%の増加となった。 年の途中においては、 飼料穀物価
格の高騰や国内需要の低迷などの影響を受け、 一時的に生産量が前年水準を下回
ったものの、 依然として輸出需要が好調であったことから、 結果的には、 上半期
は前年同期比4. 8%増、 下半期は前年同期比5. 7%増となった。
収益の増加が増産を導く
こうした生産拡大の背景としては、 好調な輸出需要に支えられて、 卸売価格が
上昇し、 その結果、 生産者のブロイラーの増産意欲が維持されたことが原因であ
ると考えられる。 ちなみに、 96年の加工業者段階の純利益を見ると、 96年3
月には、 卸売価格の下落によって一時赤字に転じた。 これは、 鶏肉の衛生基準に
関する問題によって、 輸出の約4割を占めるロシア向け輸出が停止となったため
である。 しかし、 その後は輸出の再開とともに卸売価格も回復し、 記録的な高収
益となった95年には及ばないながら増収が続いている。 最需要月である12月
の純利益は、 11.4セント/ポンドとなり、 高水準であった前年と比べても6.
0%の上昇となった。
ブロイラー一羽当たりの体重増加も増産要因に
飼料費は、 ブロイラー生産コストの約60%を占めていることから、 その価格
上昇は、 生産コストに極めて大きな影響を与えている。 このため生産者は、 品種
改良などにより、 ブロイラーの飼料効率を上げるための努力を行っているが、 こ
れが一羽当たりの体重を増加させる結果をもたらしている。 95年のブロイラー
一羽当たりの平均体重は、 4.66ポンド (約2.1kg) で、 10年前と比較す
ると11.2%増加している。 96年にも体重増加の傾向は続いており、 直近の
第3四半期の平均体重は、 4.71ポンドに達している。 このような個体重量の
増加も、 ブロイラー生産量の増加要因の一つとなっている。
97年も増産の見込み
USDAによると、 96年秋から下降に転じた飼料穀物価格は、 97年に入ってか
らも比較的低価格で安定的に推移すると見ており、 これを反映して、 97年第1
四半期のブロイラー生産量は、 前年同期に比べて4.4%の増加を見込んでいる。
また、 97年を通じても前年と同程度の5.8%の増加が見込まれており、 生産
量は、 約1,270万トンになると予測されている。
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