豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○引き続き好調なチーズ輸出 (95/96年度)


輸出量の伸び率はやや縮小


 豪州酪農庁 (ADC)によると、 豪州の95/96年度(95年7月〜96年6月) のチーズ輸出量は、 前年度比4%増の11万6千トン(暫定値、 製品重量ベース) となった。 また、 金額では、 前年度を17%上回る4億1千万豪ドル (約362 億円) となった。  チーズ輸出量は、 ここ数年、 二ケタ台の大幅な伸びを記録している (図1) 。 95/96年度は、 国際取引価格の高騰を背景に、 東南アジアや南米など一部の 市場向けの輸出が減少もしくは前年並みとなったことから、 伸び率は一ケタにと どまった。 しかしながら、 日本をはじめとする主要市場向けは、 堅調な需要に支 えられて、 引き続き好調な伸びを示している。

主要市場向けは大幅に増加


 主な輸出相手国は、 日本、 サウジアラビア、 フィリピンなどとなっている (図 2) 。  輸出量全体の約半数を占める日本向けは、 前年度を17%上回る5万6千トン となった。 ピザ用のシュレッドチーズの輸出が引き続き好調であったことのほか、 比較的新しい輸出品目である気孔タイプのゴーダチーズの販売が順調に拡大して いることも、 輸出増に寄与したとみられる。  第2位のサウジアラビア向けは、 同13%増の1万2千トンとなった。 同国は、 伝統的に、 日本に次ぐチーズの輸出市場であるが、 最近、 豪州産乳製品の輸入時 の検査を簡素化することに同意したことから、 今後、 同国向け輸出はさらに拡大 するものと期待されている。  第3位はフィリピン向けの6千トン、 また第4位は米国向けの5千トンで、 と もにほぼ前年並みの水準であった (それぞれ前年度比1%増、 同2%減) 。  第5位のイギリス向けは4千トンと、 前年度を37%上回る大幅な増加となっ た。 この背景には、 ガット・ウルグアイラウンド合意に基づくEU向けの市場アク セス改善や、 ADCの英国子会社が、 同国でのチーズ小売販売の8割を占める大手 スーパーへの販売を拡大したことなどが挙げられる。  一方、 種類別にみると、 チェダーチーズが5万1千トンで、 全体の43%と最 大の割合を占め、 これに、 プロセスチーズ2万5千トン (21%) が続いている。 なお、 ここ数年は、 ピザ用のシュレッドチーズや、 直接消費用のフレッシュチー ズの輸出が大きく増加している。
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