95/96年度は約294万頭に
95/96年度 (95年6月〜96年5月) の搾乳牛頭数 (年度内の平均頭数)
は、 前年度を4%上回る293万6千頭であった。
搾乳牛頭数は、 87/88年度以降、 増加傾向で推移しているが、 特に、 90
年代に入ってからは、 年率3〜5%増と顕著な伸びを示している (図1) 。 これ
は、 ガット・ウルグアイラウンド合意に伴う国際貿易環境の好転に期待が高まっ
たことや、 最近の好調な国際乳製品市況の下での乳価上昇などが、 酪農家の増頭
意欲を刺激しているためである。
酪農家戸数も増加を維持
また、 酪農家戸数は、 前年度比0.6%増 (87戸増) の14,736戸とな
り、 わずかながら4年連続で前年度を上回った (図1) 。 経営環境の厳しい肉牛
や羊経営からの経営転換が、 増加のひとつの要因となっている。
なお、 この増加は、 近年酪農の発展が著しい南島で顕著にみられるもので、 伝
統的な酪農地帯である北島では、 酪農家戸数は逆に減少傾向で推移している (表) 。
ニュージーランドの酪農家戸数と1戸当たり飼養規模
資料:LIC「Dairy Statistics」
注: ( ) 内はニュージーランド全体の戸数に占めるシェア
平均飼養規模は約200頭
1戸当たりの搾乳牛飼養頭数は、 前年度から6頭増加して199頭となった。
1戸当たりの頭数は、 この20年間に、 年率3%のペースで毎年着実に増加して
いる。
近年の1戸当たり飼養規模の動向を地域別にみると、 主要酪農地帯である北島
に比べ、 新興酪農地帯の南島で、 より大規模化が進んでいる (表) 。 これは、 人
口が多く、 酪農場価格の高騰が著しい北島に対し、 南島では比較的安価に農地を
取得できるためと考えられる。
100〜199頭層が主体
一方、 頭数規模別に酪農家戸数をみると、 引き続き、 100〜149頭層が3,
560戸と最も多くなっている。 これに、 150〜199頭層 (3,399戸)
が続き、 この2つの層で、 戸数全体の約半数を占めている (図2) 。
しかしながら、 94/95年度と比較すると、 199頭以下の層はいずれも減
少しており、 経営の大規
模化が、 年々、 進展していることを裏付けている。 なお、 300頭以上の大規模
層の戸数全体に占めるシェアは、 70/71年度には0.4%に過ぎなかったも
のが、 95/96年度には、 14%を占めるに至っている。
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