USDA、 ミルク・マーケティング・オーダー地域の統合へ動き出す (米国)



オーダー地域の統合案を発表


 昨年4月に成立した96年農業法では、 99年4月までの3年間に、 連邦ミル ク・マーケティング・オーダー (MMO) 地域 (一つの最低乳価が適用される地域: 後述) を10〜14程度に整理・統合することが決定されたが、 これを受けた、 米農務省 (USDA) ・農業流通局 (AMS) は、 12月3日、 現在32地域あるオー ダー地域を10地域に統合するという、 たたき台となる素案を発表した。 具体的 には、 生乳処理工場の集乳や流通区域を勘案し、 太平洋北西部、 西部、 南西部、 中央部、 上部中西部、 南東部、 中東部、 アパラチア地域、 フロリダ地域、 北東部 の10地域に整理統合するとされている。  なお、 この素案ではふれられていないが、 同農業法では、 州独自の乳価決定制 度を有し、 連邦のMMO制度に参加していない主要生乳生産州であるカリフォルニ ア州を、 州の生産者らの要望に基づき、 連邦のMMO制度に参加させることも検討 するとされている。

乳価の地域間格差の是正が目的


 MMO制度は、 オーダー地域内の生乳取扱業者に対して、 飲用規格 (Aグレード) 生乳の用途別最低支払乳価を定めるとともに、 生産者に対するプール乳価の支払 いを義務づけた制度である。 全米のオーダー地域数は、 62年の83地域をピー クに、 取引の広域化に伴い減少しており、 現在は32地域となっている。  オーダー地域を整理・統合する目的は、 飲用向けと加工向けの仕向け比率の違 いにより、 オーダー地域ごとのプール乳価の格差が大きくなっていることから、 取引範囲を広げることによって、 地域間の乳価の格差を是正しようとするもので ある。

新オーダー地域体制実現までのプロセス


 AMSは、 オーダー地域の統合が、 中小の生産者や生乳取扱業者に与える経済的 な影響について関心を持っており、 関係者に2月10日までにこの素案について の意見を提出することを求めている。 そして、 これらの意見を参考にし、 97年 後半までに政府案を提出し、 98年秋には最終規則案を公表したいとしている。 この規則案は、 生産者の投票によって承認を得た後に、 農務長官によって公布さ れることとなる。
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