◇絵でみる需給動向◇
米農務省 (USDA) によると、 97年1月から4月までのと畜頭数は、 前年同期と 比べて1.6%減少し1,189万頭となった。 と畜頭数の内訳についてみると、 全と畜頭数の約8割を占める肉用牛が、 前年 同期比1.4%減少し942万頭となった。 また、 95年の飼料価格の高騰や肉牛価格の 低迷の影響で淘汰が進んでいた肉用経産牛のと畜頭数 (全と畜頭数に占める割合 は10.2%) は、 飼料価格の低下やキャトルサイクルが減少局面に入ったことによ る肥育素牛価格の回復を受けて、 前年同期比3.4%と目立って減少し、 121万頭と なった。 このことは、 肉用経産牛の淘汰に歯止めがかかり始めた兆候として注目 される。 なお、 飼料高騰の影響でフィードロットでの肥育期間が短かったことの影響は 依然として解消しておらず、 97年1月から4月までの1頭当たりの枝肉重量は、 単純平均で315kgとなり、 前年同期の単純平均と比べて0.7%低下した。
その結果、 97年1月から4月までの牛肉生産量 (枝肉ベース) は、 と畜頭数の 減少に1頭当たり枝肉重量の減少が加わり、 前年同期比3.5%減少の370万トンと なった。 ただし、 その生産量は、 94、 95年の同じ期間の水準に比べると、 それぞ れ、 4%、 6%上回っており、 より長期的にみると、 依然として高い生産水準が 維持されている。
一方、 97年4月1日時点のフィードロット (飼養頭数が千頭を超える規模) で の飼養頭数は、 前年同期比5.9%増の1,039万頭となった。 96年前半は、 飼料価格の高騰と肥育牛価格の低下にともない、 フィードロット での収益性が悪下し、 フィードロットへの牛の導入頭数と飼養頭数が減少した。 また、 飼料の高騰により、 肥育期間を短くするため、 より体重の重い肥育素牛の 導入が行われていた。 これに対して、 96年後半には飼料価格が低下し、 収益が回復したことから、 フ ィードロットへの導入頭数が増加し、 96年11月からは飼養頭数も前年を上回って 推移している。 また、 導入される肥育素牛の平均体重も、 低下していると見られ ている。 表:フィードロットの飼養動向 資料:USDA「Cattle on feed」
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