◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランドの輸出統計によると、 96/97貿易年度 (96年7月〜97年6月) の脱脂粉乳の輸出量は、 12月までの6カ月間で、 前年度同期を84%上回る9万2 千トンとなった。 こうした大幅な伸びを記録した背景には、 比較の対象となる前年度同期 (95年 7月〜12月) の脱脂粉乳の輸出量が、 国内在庫の不足や、 国際価格の高騰による 輸入国側の需要の減退により、 かなり低水準で推移していたことがある。 その後、 輸出量は、 国内生乳生産量の増加や、 96年に入ってからの国際価格の 急落による輸入国側の需要の盛り返しなどによって増加傾向となり、 96/97年度 に入ってからも、 ハイペースであった一昨年度の同じ時期をさらに上回る勢いで 推移している (左頁右下図及び図1)。
輸出動向を国別にみると、 アジアを中心とする主要7カ国向けの輸出量は、 い ずれも前年度同期比で二ケタ以上の大幅な増加を記録した (図2および図3)。 伝統的な輸出相手国であるマレーシア向けは、 前年度同期比で2倍以上の伸び となり、 前年度同期に引き続き首位となった。 また、 同じく重要な相手国である 日本向けも、 カレントアクセス分の輸入や緊急輸入が行われたことなどから同82 %の増加となり、 前年度同様、 2位を維持した。 3位のインドネシア向けも、 約2倍と大幅な伸びをみせ、 同4位から順位を一 つ上げた。 この背景には、 96年4月に同国で販売を開始した、 消費者向けの脱脂 粉乳製品の販売が非常に好調なことがある。 また、 順位は落としたものの、 フィ リピン向けも同43%の増加となったが、 同国でも、 96年後半に発売した消費者向 け脱脂粉乳製品の販売が好調となっている。 なお、 タイ向けは、 前年度同期を7倍近く上回るという急増ぶりを示したが、 同国では、 関税割当数量が次第に増加する中で、 旺盛な需要をまかなうために、 積極的な輸入が行われているものとみられる。
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