USDA、 新しい食鳥検査規則を発表 (米国)



● HACCPの補足的な位置付け


 米農務省 (USDA) は、 2月3日、 食品の安全増進対策の推進の一貫として、 新 しい食鳥検査規則を発表した。 これは、 ふん尿によると体汚染に有効に対処する ことを目的とし、 家きん肉の安全性の向上や食中毒などの病気発生の防止を目指 している。 また、 USDAは、 同規則を、 危害分析重要管理点監視 (HACCP) 制度を 補足するものとして位置づけている。

● 食中毒の感染源となるふん尿の汚染


 食鳥におけるふん尿の汚染は、 サルモネラなどの細菌による食中毒を引き起こ す原因となっている。 このため現行の食鳥検査では、 と体のふん尿により汚染さ れた部分を除去するか、 あるいは洗浄することによって浄化することが定められ ている。 そして、 汚物が除去された後のと体は、 再度、 処理場の従業員によって 清浄であるかどうか検査され、 さらに、 食品安全検査局 (FSIS) の検査官による、 検査が行われた上で冷却室に入れられることになっている。

● 検査体制の内容強化


 今回の新規則では、 汚染されたと体は、 処理過程において、 冷却タンクに入れ る前に除外され、 他のと体への汚染が広がることを防ぐことに重点を置いている。 なお、 FSISの検査官によって、 従来の検査体制に加えて、 8時間ごとに少なくと も2回以上、 内蔵除去ラインの後に、 毎回10検体のと体を抽出して検査をするこ とになっている。

● 一部の消費者団体は批判的


FSISでは、 食品安全対策の方針を堅持しつつ、 今回の新規則をHACCP制度の一 部として取り入れることにしているが、 他に有効は方法や手段があれば、 それら をHACCP制度に柔軟に採用するとしている。  またUSDAは、 98年1月から導入される予定となっているHACCP制度によって、 食肉の安全性が充分に確保できると期待している。  しかしながら、 一部の消費者団体は、 今回の食鳥検査規則に対して検体の抽出 数があまりにも少なすぎるとして、 検査内容に不満を示し、 政府の食品安全対策 を批判している。
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