◇絵でみる需給動向◇
豪州酪農庁(ADC) によると、 96/97年度 (96年7月〜97年6月) の豪 州国内における飲用乳の販売量は、 19億2千万リットルと、 前年度を0.8% 上回り、 全生乳生産量の21.2%を占めた。 ちなみに、 豪州国内の1人当たり の年間飲用乳消費量はここ数年103〜105リットル程度で安定的に推移して いる。 飲用乳の販売量は、 好調な乳製品輸出を背景に前年度比5%増加した加工 仕向量と比較すると、 わずかな伸びにとどまっている。
ただし、 飲用乳販売量の種類別の内訳をみると、 顕著な変化が見られている。 普通牛乳は飲用乳全体の61%と最大のシェアを占めているが、 そのシェアは 年々低下しており、 96/97年度の販売量は11億6千万リットルで前年度比 2.7%の減少となった。 一方、 普通牛乳以外の販売量は前年度と比較していず れも増加した。 低脂肪牛乳のうち、 生乳中に含まれる脂肪分が1%以下のもの (Low Fat) が1億3千万リットルで前年度比11.5%増、 同じく生乳中に含ま れる脂肪分が1%以上2%以下のもの ( Reduced Fat) が3億4千万リットルで 同2. 8%増、 ロングライフ (UHT) 牛乳が1億リットルで同10.7%増、 フ レーバー添加牛乳が1億6千万リットルで同9. 4%増となっている。 ◇図1: 飲用乳のタイプ別シェア◇
飲用乳販売量の種類別内訳に動きが見られた背景には、 消費者の嗜好が変化し ていることが挙げられる。 まず、 脂肪の摂取に関しては、 消費者の健康への懸念から、 普通牛乳から低脂 肪牛乳 (ミネラル、 ビタミン等を添加したものも含む) へのシフトが起きている。 また、 フレーバー添加牛乳に関しては、 豪州国内のいくつかの大手飲用乳メーカ ーが積極的に新製品の開発と大型容器による販売に力を入れており、 そのことが 消費の増加に影響しているとみられている。 普通牛乳からそれ以外の種類の牛乳 への消費のシフトは、 今後も続くものと思われる。 ◇図2: 飲用乳種類別対前年度増減率◇
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