NZ食肉公社の改編を決議


業務権限などの一部改編と組織名称の変更を決議

 ニュージーランド食肉公社(New Zealand Meat Board ; NZMB)は、3月18日
に開催された年次総会において、その業務権限などを一部改編し、併せて組織名
称をミート・ニュージーランド(Meat New Zealand;MNZ)に変更することを決議
した。

 同公社の最高経営責任者であるネイル・テイラー氏によると、遅くとも6月末
までには具体的な手続きが完了する予定とされており、新組織の全容は、今後、徐
々に明らかになると見られている。


規制緩和の方向に沿った改編

 今回の改編は、昨年12月に同国議会で成立した「生産者公社法改正法案」に
基づくものであり、その内容は、食肉輸出等に関する同公社の業務権限を全般に
縮小するほか、会計内容の公開原則を盛り込むなど、規制緩和の方向に沿ったも
のとなっている。

 なお、改編後の同公社の主な業務権限、義務などは次のとおりになるとされて
いる。@食肉業界から情報を収集し、また課徴金を徴収する権限は維持する。A
食肉輸出業者に対する輸出ライセンス発給の権限は維持する。ただし、その条件
は緩和する。B関税割当を適用している食肉輸入国に対する輸出割当の交付権限
は維持する。C年次総会および地域総会で、生産者に対し、課徴金の使途を含む
決算を公開する。D業界関係者との間で、業務の戦略について協議を行う。E農
業大臣に対し、業務権限の行使を含む業務内容の報告を行う。F業務5カ年計画
を作成し、公正な監査を受ける義務を負う。


国内の規制緩和や次期貿易交渉での批判回避が背景

 同公社は1920年代の初頭に設立されたが、その背景には、当時、イギリス
に大量に輸出されていた羊肉の輸出価格が、国内の生産過剰によって暴落したた
め、生産者から輸出の統制を求める意見が高まったという事情があった。このた
め、同公社は、その設立以来、羊肉、牛肉などの輸出業者に対する輸出ライセン
スの発給や、輸入を規制している国に対する輸出割当の交付など、同国からの食
肉輸出を全般に規制する業務を行っていた。

 今回の改編の背景としては、先のウルグアイ・ラウンド貿易交渉以来、農産物
貿易に関する規制が全般に緩和される中にあって、同公社による輸出規制や課徴
金の徴収に対し、国内で批判が高まったこと、また、対外的には、これらが次期
貿易交渉で議論の的となることを事前に回避する目的もあったと見られている。



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